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zoom RSS 【本】『隠されたヒバクシャ』(その2)

<<   作成日時 : 2005/06/25 23:42   >>

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 『隠されたヒバクシャ』の第二論文、高橋博子「第五福竜丸被災とアメリカ政府の対応」には、第五福竜丸にまつわるアメリカ政府の対応、ついでに日本政府の従属的な対応が活写されている。

 第五福竜丸(以下同船とする)被災について、アメリカ政府はその責任を負うどころか、同船をスパイ船と疑い、CIAならびに日本政府(外務省)は同船の乗組員について調査したこと、アメリカ政府は見舞金を支払ったが、それは責任を負うのではなく、日本の世論の沈静化を目的に行われたこと、同船の機関長・久保山愛吉さんの死後解剖に米軍の医者が立ち会い、その体組織の一部がアメリカに渡されたことなどが、証拠書類をもとに丁寧に論じられている。
 また水爆実験の際、住民の避難を怠ったこと、そして同船の場合と同様、その被害を軽く見せようと虚偽の発表をしたこと、さらにアラスカを核実験場にするために先住民のイヌイットに明白な嘘(放出された原子灰は数時間のうちに無害になる」とか)をついたこと、もちろんこれらの主語はすべてアメリカ政府並びにその関係者である。

 アメリカという国家のおぞましさを、ここでも知らされた。

 本書は、第五福竜丸関係の本で、もっとも触発される。強い問題意識と、しっかりとした実証性により、過去の真実が明らかになる。そしてそれは現在の世界を照射する。3000円の本であるが、多くの読者の目に触れて欲しいと切に思う次第である。

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