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zoom RSS 関西テレビの捏造事件で、新聞は何を考えるか。

<<   作成日時 : 2007/01/23 21:47   >>

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 関西テレビの捏造は、許せないことだ。テレビの影響力は、しばらくスーパーに納豆がなくなったことを考えると、いかに大きいかがよくわかる。テレビ関係者は、このことに自覚的でなければならない。宮崎県知事についても、そのまんま東氏当選も、テレビで顔が売れていることばしに当選は覚束なかっただろう。テレビは、多くの人びとに、長続きするかどうかは別として、大きな影響を与えるのである。
 さて、この事件を新聞はどう論じるのか。ここに「東京新聞」と「朝日新聞」の社説を掲げた。例によって「朝日」の社説はつぶやき型の文体である。ぼそぼそとうつむいて語っているという文体である。主張することよりも、事件の説明に力点をおくことが、最近の「朝日」の社説の特徴である。とにかく視野が狭い。時代状況を踏まえての主張は、「東京」のほうにある。「公権力の介入」問題に言及しているところなどにそれが表れている。

 なお、納豆がほとんど姿を消していたとき、いくつか残っていた納豆の値段を見たらいつもよりずっと高額であった。便乗値上げか、それとも需要・供給曲線のなせるわざか。

「番組捏造 TV業界として究明を」(「東京新聞」)1月22日

 
テレビ番組における「やらせ」や捏造(ねつぞう)の続発は、もはや個別会社の不祥事ではすまされない。視聴者の信頼回復へ向けて、関西テレビの問題を業界全体で検証、究明し再発防止策を確立すべきだ。

 関西テレビが制作し、フジテレビ系で七日に放送された「発掘!あるある大事典2」には事実と異なる点が六カ所もあったという。

 架空のデータ、実験と無関係な映像、でっち上げた研究者コメント…いずれも「納豆を食べればやせられる」という番組の趣旨を支える根幹部分である。これでは番組自体が捏造というしかない。

 放送直後から納豆が売り切れる店が続出し、メーカーは増産に追われた。番組捏造は視聴者を欺き、社会を混乱させた悪質な行為だ。関西テレビだけでなくテレビ放送全般に対する信頼を大きく揺るがす。

 「発掘!あるある大事典2」は関西テレビが番組制作会社「日本テレワーク」に発注し、そこから複数の会社に孫請けに出されていた。

 ところが、実際に制作した会社がどこなのか、関西テレビの番組責任者は捏造を承知していたか、現時点では不明だという。

 誰が番組を作り、制作、管理の責任を誰が負っているのかも分からない体制で、視聴者に大きな影響を及ぼす番組が送り出されていたのである。無責任ぶりにあきれる。

 視聴率は民放の生命線である。局としては番組制作コストを削減したい。下請け、孫請け会社は発注局を喜ばせる番組を作らないと生きてはいけない。テレビ界ではさまざまなプレッシャーが面白おかしさ優先、正確さ軽視につながりやすい。

 しかし、関西テレビは二年前に別の局の情報番組制作でも実験結果を捏造した日本テレワークに下請けさせたのだから、危機管理意識がなかったと言わざるを得ない。

 現状ではテレビ局が主張する「公共性」がしらじらしく聞こえる。

 早急に倫理逸脱、暴走を防ぐ体制を確立しなければならないが、不祥事は以前から続発している。各局とも対岸の火災視はできまい。透明な形での共通の取り組みが必要だ。

 有識者、視聴者を含む委員会で問題の番組の企画から制作、放送までを綿密に検証し、結果を公表しなければならない。得られた教訓は社会的に共有し、再発防止策の確立に業界全体で取り組むべきだ。

 このままでは公権力の介入がますます強まる。早くも総務省が行政指導に乗り出す構えだ。業界が自浄力を発揮し、視聴者の信頼を回復しないと「放送の自由」は守れない。


「捏造番組 視聴者を欺く罪深さ」(「朝日新聞」1/22付)

 おせち料理の食べ過ぎが気になりだしたころ、この番組を見て納豆を買いに走った。そんな人たちはさぞ驚き、憤慨していることだろう。
 フジテレビ系の生活情報番組「発掘!あるある大事典2」で、納豆のダイエット効果を取り上げた7日の放送にいくつもの捏造(ねつぞう)があった。
 やせる前後の写真は実験とは無関係の人のものだった、中性脂肪などの数値を実際は測っていなかった、米国の大学教授が発言もしていない内容を字幕で流した……。ひどい話である。
 制作した関西テレビは調査委員会を作るという。報道機関として全容を明らかにするのは当然だ。昨夜の放送を休み、アナウンサーが経緯を説明したが、これで視聴者が納得するとは思えない。
 なぜこんなことが起きたのか。期待した教授に話が聞けないなど米国取材が難航し、スタッフが追いつめられた。関西テレビの幹部はそんな弁明をしている。
 取材がうまくいかないのなら、もっと時間をかけるか、できる範囲で番組を作るしかない。そうしなかった背景として、二つの要因が浮かび上がる。
 まず、番組作りの構造的な問題だ。関西テレビから受注した会社が別の会社に作らせた。こうした「孫請け」は取材の責任があいまいになりがちだ。新年最初の放送の締め切りが迫るなかで、制作現場は何とか結果を出そうと無理をしたのではないか。
 もう一つ、現場の焦りを呼ぶのが視聴率至上主義だ。この番組は競争が激しい日曜夜9時台で10年も人気を維持してきた。周囲の期待が大きくなる一方で、素材が底をつくジレンマを抱える。
 03年に日本テレビで視聴率の調査家庭に金品を渡す事件が起き、放送界は視聴率偏重の危うさを思い知ったはずだ。しかし、いま多くの局が健康ブームにつけこむような番組で視聴率を狙っている。
 昨年、TBS系の番組で紹介された白インゲン豆を使ったダイエットで、多くの人が下痢や嘔吐(おうと)を訴えて入院する騒ぎがあった。不正確な情報は害にもなる。その教訓は生かされなかった。
 なかでも「あるある大事典」には以前から批判があった。食はバランスが大切で、特定の食品のみで問題は解決しない。「番組が体に良いとしたため、その食品を制限すべき患者が指示を守らない」。そんな医師の嘆きも聞く。
 テレビは公共の電波で仕事をしている。放送で納豆が売り切れるような現象も含めて、社会への影響にもっと敏感になるべきだ。娯楽番組だから大目に見てもらえる。そんな甘えがあるなら、テレビ離れはさらに進むだろう。
 視聴者も、一つの情報に振り回されない賢さを身につける必要がある。内容をうのみにするのは危うい。命にかかわる健康情報ならば、なおさらだ。
 視聴者や読者の厳しい目を常に意識して、メディアは自らを律したい。それはテレビも新聞も変わりはない。


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