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『中日新聞』に連載されていた長野県栄村の高橋彦芳村長が、どういう施策を栄村で展開してきたかを書いたものだ。 国政に左右されず、国の補助金にだまされず、村の現実に沿った施策、「圃場整備事業」ではなく「田直し」、国の農政の「選択的拡大」ではなく少量多品目生産、道路改良事業ではなく「道直し」・・・・しなければならない事業を、国が言うがままではなく、栄村の実態を正確に見据えた上で行われる事業にする。 そうなると、補助金はなくなるし、少なくなる可能性もある。しかし、実際国の言うがままだと、その事業の利益は土建屋がもっていくことになる。そうではなく、事業を行ってもその利益が村人の中に環流する事業を行う。 平成の大合併に栄村は乗らなかった。賢明な選択である。高橋村長の、合併は「地方都市中心部へのさらなる人口移動が起き、過疎に悩む中山間地域の過疎はいっそう深刻になり、都市問題もまた増幅されるおそれ」があると書かれていますが、私もそう思っている。 今回の大合併は、地域住民のためというより、中央政府による効率的な地方支配と「小さな政府」づくりという名による地方財政への財政出動をできうる限り減らそうという姑息な目的によるものである。 橋本内閣から本格化し、小泉内閣で全面開花した新自由主義的な政策により、日本全体に「安心」と「希望」と「自信」が失われ、「意欲」も失われようとしている。 そうしたとき、小さな自治体なら、そういう地域を守る手段となりうる。栄村は、そこに住む住民の「自信」と「安心」を育み、そこに「希望」を生み出している。地域の住民の参加と「協働」によって、それが生み出される。 本書は、高橋村長の気負いのない施策が、具体的に記されている。その施策だけではなく、村長の精神を学びたいと思う。良い本である。 |
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