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『歴史学研究』2008年8月号の岡田知弘の「「平成の大合併」・道州制論の歴史定位置」を読んで、まったく驚かされた。 今年3月24日、「道州制」担当大臣の私的諮問機関「道州制ビジョン懇談会」によって中間報告がだされ、「道州制導入時期が10年後に設定された」というのだ。 「平成の大合併」に追い込まれた地方自治体、浜松市でも併合された地域住民から「合併しなかった方がよかった」などという声が聞かれるようになったが、しかしこの「平成の大合併」を拒否して、いまだがんばっている小規模自治体がある。長野県栄村がその一つである。 http://www.chunichi.co.jp/article/feature/yui_no_kokoro/list/200801/index.html 静岡県でも、周智郡森町がいまだ合併していないなど、いくつか残っているが、いずれ合併を余儀なくされるだろう。というのも、政府は、とくに小泉政権はきわめて強引に小規模自治体を兵糧攻めにしたからである。そのかわりに「都市再生」として、大都市へ財政支出を増やしたようだ。 このような広域合併・道州制採用政策は、1990年の行革国民会議の「人口30万人規模の300の「市」と、全国で10の「州」からなる二段階自治制度を提案し」、1996年の経団連ビジョンの「今や世界経済の担い手は多国籍企業であり、日本が世界の経済センターの一つとして生き延びようとするならば、多国籍企業に選んでもらえる国づくり、地域づくりをしなければならない」というところにつながって現実化されてきた。 日本最大の広域の「市」は岐阜県高山市で、10万人以下の「市民」が、大阪府より香川県より広い、東京都と同じくらいの面積のなかに居住している。そのような「市」で、住民自治は可能だろうか? 大合併と道州制導入により、多国籍企業好みの地域をつくる!? 岡田はこの論文で、もし道州制が導入されると、日本国憲法の地方自治(団体自治と住民自治)は「空洞化」してしまうと指摘するが、その通りだと思う。 「人口5000万人を超える先進国において、このような単純な二層制の地方自治制度を持つ国はない。むしろ多層制が一般的であり、日本のように地域的不均等発展が激しい国の場合は、柔軟な多層制構造の方がはるかに効果的にもかかわらず、そのような議論は封殺されたままである」 日本独自の地方自治制度を導入しようとしているが、その制度は「自治」がなくなる、たんなる地方制度となる。 道州制反対の動きを強めなければならない。 |
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