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きわめて実証的であり、また論理的で、「百人斬り競争」虚構説を無化し、その実在を完璧に証明する内容である。笠原氏は、『南京事件論争史』(平凡社新書)などにおいても、学問的に誠実な仕事をされており、いつもその著作には教えられることが多い。 本書のテーマについては、もうここに筆記する必要もなかろう。学問的な良心に裏打ちされたこういうきちんとした仕事を、私たちも学ぶべきだと思う。 本書を読んで感心したのは、日本刀のもつ意義である。その説明に納得である。 「軍刀としての日本刀は、日本軍隊の武器装備の近代化の軽視とそれを支える前近代的な非合理主義、精神主義を象徴するものであった」(20頁)などの、日本刀に関する解説は、今まで知らなかったことなので参考になった。 また「百人斬り競争」めいたものが中国各地で行われたことは、1937、8年当時の新聞記事を読めばたくさんでてくる。私は[静岡民友新聞』などを読み、その多くをコピーして保存している。その意味で、「ほかに多くの日本兵が「百人斬り」に類したことをおこなっていた。それなのに、たまたまメディアで有名になったために三人の少尉が処刑されるのは不公平であるという主張は理解はできる」(246頁)。 しかし、事実は事実としてきちんと見るべきである。笠原氏の「私たち日本人は被害者の中国人の記憶のあり方を理解し、悲惨で残酷な被害を受けた者の悲しみに思いを馳せるとともに、史実にもとづいた「南京大虐殺」「百人斬り競争」の記憶を国民の記憶とすることによってはじめて、中国人の人々とも史実の認識を共有できる。そのためには日中両国民の歴史対話を進めていくことが大切である」(277頁)に賛同する。 たいへん良い本である。 |
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