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学生時代を東京で過ごし、現在は浜松で暮らしている。学生時代、東京のあちこちを歩いた記憶はない。この本を読んで、あまりに行っていないことに驚いた。 写真と文章で綴る、一種の東京案内である。田中さんは「江戸学」がご専門だから、江戸時代との関わりから東京を歩く。なるほど、東京にはまだ「江戸」が残されている。知らなかった。 読んでいて、行ってこなければならないとつくづくと思った。 最初は、千住から始まる。小塚原である。多くの人々が埋葬されたところであるが、今は鉄道線路に踏みしだかれているようだ。だがそこに残る地蔵は、不気味でもある。行きたい、と思った。 吉原、浅草寺、深川、日本橋、神田明神、本郷、根津、上野、神楽坂、柴又、品川・・・・・ここらは行ったことはあるが、田中さんが紹介するようなところは見ていない。視線が定まらないままに、ただ行ったのである。 今度行くときには、「江戸」の視線をもって行こうと思う。 知らなかったところも多く紹介されている。東京って、なかなか魅力的ではないか。国会図書館や展覧会などには行くが、こういうところを散策するのもいい。 涼しくなったら、カメラを片手に散策しよう。 田中さんのようなうまい文章、石山貴美子さんのような写真は無理だけど、「江戸」を写してこようと思う。 「かつて日本には前向きではなく後ろ向きの、楽しさではなく哀しさの、雨の夕暮れのような美意識が、あったのだった」の文に脱帽。永井荷風に関わる記述の中の文。ウーム、である。 |
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