【本】平野貞雄『亡国 民衆狂乱「小泉ええじゃないか」』(展望社)

 平野貞雄というもと参議院議員が記したものだ。この本は、水島朝補氏のHPのなかで知った。読んでみたが、まあまあである。

 別に小泉政権の問題点を具体的に指摘するのではなく、一般的に論じているだけである。私の知人に「ええじゃないか」の研究をし、完成させる完成させるといいながら、まだ完成させていない方がいるが、この本を読んで現在の「ええじゃないか」を教えてあげようとしたのである。日本の民衆は60年ごとの大衆狂乱を繰り返しているとし、昨年9月の総選挙は「ええじゃないか」の再来だというのだ。別段根拠があって言っているのではない。

 この本の面白いところは、小泉批判ではなく、彼が生きてきた政界の裏話が描かれていることだ。カネで野党を切り崩した経験、河野一郎(現在の衆議院議長の父君)が亡くなったときの後始末のこと(「その河野一郎氏の息子と孫が、さまざまな遺産を継いで、改革派の顔をして国会議員になっている。自民党の2世、3世のほとんどは、この構造で権力を私物化しているのだ。これが自民党文化で、小泉首相もその一人である」、現民主党の横路議員の父君がなくなったときの住宅探しの話など、魑魅魍魎が住まいするという政界の裏話は、あまり詳細ではないが、面白い。
 社民党の村山政権を「自民党の謀略で担ぎ出された内閣」と規定するところ、昨年九月の選挙で「新党大地」などが旗揚げしたが、「自公新党」もできたのだという指摘も面白い。私の隣の選挙区の、あの自民党の刺客・片山議員の選挙運動を底辺で支えていたのは、公明党ならびにその支持母体であったということである。その支援なしには、選挙運動はできなかったのではといわれている。「自公新党」といわれる所以である。

 別に読んでも読まなくてもよい本である。1400円+税。