中国漁船との衝突事件について

 この論説の指摘には、大いに賛成できる。尖閣諸島はどちらの領土であるかは今のところ私は調べてないので何とも言えないが、しかし今尖閣諸島は日本が実効支配している。したがって、今まで自民党政権が行ってきたようなことをしていればこのような問題は起きなかった。中国も、鄧小平がこの問題は次の世代に任せるとして固執することなく、何とか矛盾なくやってきたのである。  なぜ今、民主党政権はあえて中国との「敵対」を求めたのか、そしてマスメディアを巻き込んで反中国の合唱をあおるのか、私には理解できない。 http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2010/10/post_234.html

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【本】井上ひさし『一週間』その2

 500頁を超える本書には、一種の活劇と言った雰囲気がある。  関東軍に召集され、敗戦の後シベリアに抑留されて強制労働を強いられた、もと共産党員である主人公小松修吉が、自らに労働を強制するソ連邦の高級軍人や内務官僚を相手に果敢に闘いを挑むというものだ。  次々と、井上ひさしの想像力が築き上げたドラマが展開する。そのドラマは、日本の政治・社会、とりわけ「満洲」を支配していた日本の関東軍、そしてソ連という国家に対する、豊かなヒューマニスティックな批判精神が原動力である。  善意ある人びとが横につながりながら、非人間的な機構を担う人びととに対して、果敢に闘いを挑む。その闘いは、知性と勇気、そして善意ある人びと同士が向けあう愛情とによって様々な彩りをみせる。  しかしハッピーエンドではない。現実はなかなか厳しいのだ。主人公が追跡していたM(戦前日本共産党に入り込んで、共産党を壊滅に追い込んだ特高警察のスパイ。小松も彼によって豚箱に入れられた)も、見つからなかった。  よみはじめてから後、他のことをしていても、次はどうなるのかという期待が消えないため、また本書に目を落とす。他の用事をしていても、気にかかる。そういう気になるストーリーである。  井上ひさしはこれを文芸誌に連載し、単行本にするためにはもっといろいろ手を入れるつもりであったのだろうが、それを果たさずに他界した。どのように手を入れるつもりであったのか。もうそれは不可能である。  だが、井上ひさしの作品は、永…

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反中国をあおる日本のマスコミ

 愛川欽也のパックインジャーナルでは、アホなマスメディアが報道しないことを教えてくれる。  たとえば尖閣諸島の問題が起きたとき、「深夜」に中国当局から呼ばれた丹羽中国大使の件。  中国当局は、夜8時頃に丹羽氏を呼んだそうだ。そしたら丹羽大使から拒否されたとのこと。大使になったばかりの丹羽氏に、外務省側の準備ができていなかった、つまりこう質問されたらこう答えなさい・・・・・などの想定問答ができていなかった。そこで中国当局は岡田外務大臣に連絡を取ろうと彼の携帯電話にもかけたそうだ。ところがでない。中国当局はこの問題で何とか日本側との交渉をする必要を感じていたから、やっと丹羽大使に、結局12時頃に来てもらったとのこと。  これについて、深夜に呼び出すとは「無礼だ!」と外務省は言ったそうだ。深夜になったのは日本側の対応のまずさだったようだ。  中国の漁業監視船が尖閣諸島周辺で、日本の巡視船とあたかも敵対関係にあるような報道をテレビがしていた。あれは、日中漁業協定で以下のようになっているからなのである。すなわち、中国はこの問題が起きてからより問題が大きくならないように、つまり中国側の船が違法なことをしないように監視船を増やしたのだ。つまり「自国の漁船」と取り締まるためである。それを日本のテレビメディアは、あたかも中国漁業監視船が「威嚇」しているかのようなテレビ報道をしていた。 日中両国がその領有権をめぐって争っている尖閣諸島周辺に関しては,「暫定措置水域」を設置するという形で妥…

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【本】井上ひさし『一週間』(新潮社)その1

 小説の単行本は厚いため、文庫本が出るまで待っていることが多い。しかしこれだけは早く読みたいと思い、浜松市の各図書館で借りられるものはないかと思って幾度かインターネットでアクセスするのだが、ずっと借りられていて、さらにたくさんの人がついているようだ。しようがないと思って買った。  とても良い本だ。他の仕事をさしおいてひたすら読んでいる。とても面白い。井上ひさしの本は、ヒューマニズムに裏打ちされた批判的な思考と、批判だけに終わらないもうひとつの思考の提示がある。  井上ひさしは、もう亡い。残念なことだ。本書も、おそらく巻末に記された文献だけではなく、無数の本を読んで書かれたものであろう。それが文の各所に現れる。  なかでも、井上はプーシキンの詩を掲げている。私はとても懐かしくこの部分を読んだ。ロシア文学の多くは、帝政以来、国家権力の抑圧が大きいが故に、文学に込められた思想は深くまた重い。学生時代、私はロシア文学に耽溺した。とくにドストエフスキーは、その小説をすべて読み終えた。  プーシキンについては、『大尉の娘』も読んだが、詩集がすばらしい。私は金子幸彦訳の岩波文庫本を持っているが、各所に赤い線が引かれたりしている。  その文庫本から一つの詩を掲げよう。かつて私が赤鉛筆で囲んでいたものだ。  エレジー  もの狂おしき年つきの 消えはてた喜びは  にごれる宿酔に似て こころを重くおしつける。  過ぎた日々の悲しみは こころのなかで  酒のように ときのた…

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軍事管理区域への旅

 「軍事管理区域」に入り撮影したとして、フジタの社員が中国当局に拘束されるという事件が起きた。  ちょうど10年前の夏、私もおそらく「軍事管理区域」にはいった。そこはロシアとの国境近くであった。  私は大井川上流の町史編纂事業に参加していた。そのなかで、その町出身の兵士が台湾で霧社事件の鎮圧に「功績」をあげ、その後「満州事変」後「満洲」に渡り、「満州国軍」の日系教官となって「満州国」各地を歩き、最終的にはソ連との国境付近で「満州国軍」のなかに朝鮮人部隊を結成したという史料を見つけた。私はその兵士の足跡をたどる調査を開始し、台湾で霧社事件を調べたり、中国東北部で彼が行ったところをたどった。  彼が主に活動したところは黒竜江省密山の近くであったが、ついでに静岡県富士地域の人びとが「満蒙開拓団」として入植した饒河についても訪問することとした。  早朝、密山から車をチャーターして饒河に向かった。  虎林を経て饒河へと至る際、中ロ国境にきわめて近い道を通る(饒河そのものが国境の町なのだが)。途中国境警備隊に止められた。外国人を通す許可を得ていないというのである。依頼していた中国の観光会社の社員が「どうするか」を尋ねてきた。もちろん私は事前に饒河までいく経費を支払っている。一人の仕立て旅行であるから、旅行費用は高額であった。そのこともあって私は「どうしても行きたい」と主張した。彼はあちらこちらに電話(もちろん携帯電話)していた。3時間くらい待たされただろうか、三菱のパジェロに乗った恰…

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ムクドリの集団ねぐら

 今朝は5時半に起きた。起きたのではなく、起こされた。ムクドリの大群が、我が家近くの電線に大挙して押し寄せ、ギャーギャーと鳴き続けたからだ。私はパジャマのままでていって追い払おうと努力した。だが、まったく逃げていかない。あきらめた。少ないときには飛び立っていくのに・・・。  500メートルくらい離れている神社に、ムクドリの集団ねぐらがあり、どのくらいいるかわからないが、ものすごい数のムクドリが生活している。彼らは夕方どこからか集まり、樹木のなかに入る前に、電線を占拠して騒ぎ立て、暗くなって樹木の中に入り込んでもピーチクパーチクと騒いでいる。  時々、その一群が夕方、我が家の電線にとまり、フンを落としていく。私の車は大丈夫だが家人の車はフンにまみれる。すぐに水をかければよいのだが、固まってしまうとなかなかとれない。屋根をつけろといわれるが、そうすると屋根がフンだらけになる。屋根をきれいにするのは大変だ。  我が家の近くにある一本の高い木にカラスが営巣している。ムクドリが占拠している電線の近くで弱々しくカーカーと鳴いている。  かつて浜松駅前の中央郵便局前の樹木を、ムクドリがねぐらにしていた。その下にはかれらの大量のフンが折り重なっていた。今年は樹木の葉を落としているからか、ねぐらにはなっていない。  今書いているときも、遠くから彼らの騒いでいる声が聞こえてくる。我が家の周りには来ないようにと願うのだが・・・・

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〔民衆の鼓動 韓国美術のリアリズム1945~2005〕

 〔民衆の鼓動〕とは展覧会の図録である。2007年から8年にかけて、全国5カ所で行われた。どこかの展覧会に行こうと思っていたが行きそびれたので、府中市美術館に図録があるというので注文した。その図録が、届いた。2000円+送料540円である。  今、某出版社の原稿を書くための準備に入っている。原稿締め切りは今月末。私は原稿締め切りは来年の9月だと思っていたのだが、町田の住人からの連絡で今年の9月であることがわかった。そこで急遽取り組みはじめた。テーマは、朝鮮半島の1945年からの歴史である。枚数は多くないが、新鮮な切り口から書けと言われている。  朝鮮半島は、1910年からの日本の植民地支配とその後の東西対立=南北分断が、その歴史に鋭く刻印されている。植民地支配と南北分断が、現在の朝鮮半島の苦悩をつくっていると言っても過言ではない。  したがって、朝鮮半島の民主化を求める民衆の動きも、過酷にならざるを得ない。    韓国では李承晩政権、朴正煕政権、そして全斗煥政権と、(軍部)独裁政治が続いてきたが、それらの政権下において、韓国民衆はひるむことなく民主化の運動を繰り広げてきた。その運動の中で多くの犠牲が生まれたが、その犠牲を乗り越えて、現在の韓国がある。  その韓国民衆の運動は、無味乾燥なものではない。その運動の中から、民衆歌謡や詩、そして民衆美術が育まれてきた。詩は、『韓国からの通信』(岩波新書)などで紹介され、民衆歌謡は現在でも唄われ、そして民衆美術は韓国美術史の中に正…

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新聞が報道しない戦争の危機

 今年六月、台湾政府は日本との戦争を考えたことがあった。まさに「戦争の危機」である。この事実は、田岡俊次氏が、朝日ニュースターの番組「愛川欽也のパックインジャ-ナル」で語っていたので、私は知っていたのだが、今回の中国漁船の問題について、冷静にみることができた。この末尾で、それを紹介するが、この問題でなぜか日本のマスメディアは騒がなかった。  今回の中国漁船の衝突問題も、マスメディアは詳細に事故の状況を報道しているわけではない。マスメディアは海上保安庁発表をもとに動いているわけで、こういう事故については双方の主張をきちんと並べ、事実はどうであったのかを詳細に明らかにしていく作業が求められる。しかしそういう報道はなく、センセーショナルな見出しの記事しか見当たらない。  そもそもこういう問題は、冷静に平和的に解決するしかない問題なのである。現在、どこの国でもそうだが、経済はじめ多面的な分野でいろいろな国と結びついていて、このような小さな事件により国家間対立を招くようなことは、自立的な国家はしない。とくに日本の経済は、中国なしには成り立っていかない。中国は日本なしでもやっていける。中国の貿易相手国として日本は重要でもない。しかし日本の輸出相手国は、圧倒的に中国なのである。こういう事実を踏まえれば、あえて「国益」ということばをつかうが、「国益」の観点から言っても、中国との対立は「国益」を損なう。にもかかわらず、中国政府が丹羽中国大使を呼んで、中国政府は重大問題と考えていることを示唆しても、日本政…

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腐敗する国家権力

 権力は腐敗する。腐臭を放つ国家権力から腐敗をなくそうとするのか、民主党政権。いやもう腐臭に囲まれているどころか、自ら腐臭を放ち始めている? http://blogs.yahoo.co.jp/abc5def6/62057495.html http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/ce38ccb67f4794fe3028aba9ecb5588e http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/cf7336677c6a19fdd7b2c7a1da98d307 http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-cfdf.html

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2001年の9・11事件

 この事件については、私も疑問を抱いています。 http://gallery.harmonicslife.net/main.php?g2_itemId=9425 http://gallery.harmonicslife.net/main.php?g2_itemId=9221  アメリカ自身による謀略事件ではないか。国家権力というのは、目的のためには手段を選ばない習性をもっています。  過去の日本にも、満州事変とか、上海事変とかいろいろありました。

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当たり前のことが通らない世の中

 イスラエルによって閉鎖され、食料や医薬品の欠乏に苦しんでいるパレスチナ・ガザ地区にそれらを送るための非武装の船が、公海上でイスラエル軍に襲われ死傷者がでた事件があった。  それについて、以下のような報告がなされた。  「ガザ支援船襲撃は「蛮行」=イスラエルの違法行為認定-人権理調査団」という、時事通信の記事だ。  【ジュネーブ時事】国連人権理事会の独立調査団は22日、今年5月にパレスチナ自治区ガザに向かっていた支援船団がイスラエル軍の襲撃を受け拿捕(だほ)された事件に関する実態調査報告書を提出し、イスラエル軍の行為は「受け入れ難い蛮行」と強く非難、人権や人道上の国際法に違反したと結論付けた。  イスラエルに対する厳しい調査報告がまとまったことで、同国の国際法違反を非難する決議が人権理事会で採択されるかどうかが焦点になる。(2010/09/23-08:38)  http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010092300056  誰が見ても「蛮行」以外の何物でもない。国連でイスラエル非難決議をあげるなどすべきである。  しかし、世界の憲兵を自称しているアメリカなどが反対し、決議はなされないだろう。こういう蛮行を平気で行うイスラエルという国家を全面的に支援しているアメリカと「同盟」関係にあるのが日本である。  

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【本】クォン・ヨンソク『「韓流」と「日流」- 文化かから読み解く日韓新時代』(NHKブックス)

 とても良い本だ。冷静で理性的な思考にもとづき、日本における「韓流」、韓国における「日流」を、きちんとした材料により、未来志向での分析が行われており、こういう本がいろいろ出てくると、情緒的な対韓認識も良い方向に変わっていくのではないかと思う。  外交は、政府間だけでおこなわれるものではなく、個人個人も外交の担い手になる。そしてもちろん文化もである。日本における韓国・朝鮮に対する悪しき差別意識に、わたしも心を痛めていたのだが、最近の韓流ブームで、変わってきたなと一定喜んでいた。  音楽や文学、そしてタレントなどが相互に行き来して、それぞれ対日、対韓認識が好転していくという現実を、具体的に提示し、それが将来の日韓関係、さらにはアジア諸国間関係にまでひろげられないかと積極的な提案も記されている。  残念ながら、日本では一部の人たちに、きわめて情緒的な「嫌韓」派の人びとが、時に大声を上げているが、しかし日韓の関係は、そういう人たちの跳梁を許さないまでに成長してきているようだ。  韓国の人たちの「反日」の「日」は、日本帝国主義であり、日本植民地支配であり、さらにそれにつながる差別的な行動や「妄言」などであって、具体的な日本文化や日本人ではないという、きわめてまっとうな指摘もあり、日韓の文化交流の現状と、今後の日韓関係を考える意味で、とても参考になった。  私は、韓国の人びとが読んでいるような日本の小説を読んでいないのだが(たとえば村上春樹が大人気のようだが、私はどうも彼の小説が…

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国家権力の恐ろしさ

 驚くべきことだ。検察官が、証拠となるようなものを自ら改ざんするということを行うとは。検察は、犯罪をつくるために、証拠となるようなものを改ざんするという暴挙を行う組織なのだ。そのような暴挙を行う組織に、起訴する権利を与えておいてよいのだろうか。  物的な証拠ですらこのように改ざんするのであるから、密室の取り調べでどんなことが行われているのか。検察に対する怒りと不信を投げつけよう。 郵便不正事件:検事が押収品改ざん FD更新日を変更  厚生労働省元局長、村木厚子被告(54)に無罪判決が言い渡された郵便不正事件で、大阪地検特捜部の前田恒彦主任検事(43)が、証拠品として押収したフロッピーディスク(FD)の更新日時を改ざんしていたことが分かった。このFDは09年5月26日、特捜部が厚労省元係長、上村勉被告(41)=虚偽有印公文書作成・同行使罪で公判中=の自宅から押収した。同地検の事情聴取に前田主任検事が「FDの日付を変えた」と認めているという。最高検は21日、証拠変造などの疑いもあるとして異例の捜査に乗り出した。  FDには、上村被告が作成した偽証明書のデータが保存され、押収時点の最終更新日時は「04年6月1日午前1時20分」だった。ところが弁護側が上村被告に返却されたFDを調べてみると、この更新日時が「6月8日」に書き換えられていた、という。  検察側は、村木元局長が04年6月上旬ごろ、偽証明書の作成を部下だった上村被告に指示したと主張。しかし、大阪地裁は、弁護側の…

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【本】ファン・ソギョン『懐かしの庭』(岩波書店)

 読み始めて、本を置くことさえ許さない、そういう小説であった。二日間で読み終えたが、布団の上で読み続け、もう眠らなければならないと思っても、活字を追い続けた脳が、それを許さない。  1980年代韓国の激動の時代。その激動の時代を、主人公オ・ヒョヌは生きた。政治犯として指名手配され、地下生活中に一人の女性と出会い、生き、そして逮捕、別れ。その別れが、そのまま本当の別れとなる。国に囚われている間に、その女性ハン・ユンヒは亡くなってしまう、ひとりの子どもをのこして。  いずれは出獄してくるであろう主人公に、ユンヒは別れた後の自らの生の軌跡と、主人公への思いを書き綴る。小説は、獄中の主人公、出獄した後の主人公、そしてユンヒの手記とを織り交ぜて、1980年代の韓国と世界を綴りながら、そのなかで繰り広げられた運動を総括的に提示していく。  韓国における民主化運動は、国家権力の暴力にさらされながらのきわめて苦しいものであった。軍事政権の暴力をより過激にしていったのは、当然にも南北分断という状況であり、それこそが軍事政権をより暴力的にしていったものである。  ファン・ソギョンは、末尾でドイツの東西分断の壁の崩壊を記す。いずれ同じように朝鮮半島でも崩壊するであろうことを遠望しながら、ファンは現実の困難さも指摘している。  一度でも政治運動に関わり、それが自らの生そのものの深奥に深く突き刺さってしまった人間は、どうしようもなく政治に翻弄され続けて生きて行かざるを得ない。若い頃に培った理想…

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Hさんへ 

 戦争を描いた小説が読みたい、どんな本を読んだらよいのかと問われました。  私は、いつも五味川純平の『人間の条件』(今、岩波現代文庫にあります)をまず薦めます。Hさんはもう読んだそうですね。    次に、大岡昇平の戦争小説(これも岩波現代文庫にあります)も薦めました。  戦争に関する小説は、日本のものだけではなく、海外のものも私は読んでいます。たとえばもう発売されていませんが、クロード・モルガンの『人間のしるし』、『世界の重み』(岩波書店が発売していた)があります。私はこの本に大きな影響を受けています。これは図書館にはあるでしょう。でも活字が少し読みにくいかもしれません。  モルガンは、ナチスドイツ支配下のフランスで、レジスタンス運動を行った人です。過酷な世界に生きるからこそ見える人間の真実が描かれていると思います。  「過酷な世界」といえば、アウシュビッツ収容所からの生き残ったプリモ・レーヴィの著作も、人間についての深遠な洞察が書かれています。  プリモ・レーヴィの著作は、『アウシュヴィッツは終わらない―あるイタリア人生存者の考察』 (朝日選書)、『[溺れるものと救われるもの』(朝日新聞社)、『 休戦』 (岩波文庫)などがあります。これは現在でも販売されています。  そして今、私はファン・ソギョンという韓国人が書いた小説を読んでいます。今年は韓国で起きた光州事件から30年。私は2010年があの事件から30年だということに気づかないでいました。韓国強制併合1…

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底辺の視座

 僕は時々、「底辺の視座」ということばをつかう。社会や歴史を見ようとするとき、どの立場に立つかは、きわめて重大と考えるからだ。どこに立つかによって、社会や歴史の見方は異なる。  どの立場に立つか。僕へ、底辺から見よ、という。底辺から見れば、社会や歴史の本質が明瞭になるからだ。たとえば日米安保体制の問題だ。「日米同盟」などという軍事同盟条約は、どこかの国を「敵」とし、戦争を前提とした恐ろしいものだ。しかしマスメディアがはしゃいで何度も何度も報道し、それが必要なものだと繰り返される中で、その恐ろしさが恐ろしさでなくなってしまう。  だがこの日米安保体制を、その矛盾がもっとも発現している場所に立つと、その本質が見えてくる。その場所とは言うまでもなく、沖縄だ。  日米安保体制による軍事基地が狭い沖縄に集中的に置かれている現状は、本土による沖縄差別の典型的な現れであり、そこに出現する様々な事件・事故が安保体制の本質をあらわにする。日本の「安全保障」のために沖縄の米軍基地が必要だと権力者は言うが、日本の一部である沖縄に「安全」がない、ということからも、その「安全保障」というものがフィクションであることを示す。  軍隊は国民の生命や財産を守るという言説がある。だが、軍隊は国民の生命・財産を守らない。1945年の日本を想起してみよう。ほとんどの都市は焼け野原であり、日々国民は空襲で灼かれていた。  軍隊が国民の生命・財産を守るというのなら、日本に空襲が行われたその時点で戦争はやめなけ…

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属国日本の首相に安堵

 属国日本の首相は菅氏。ご主人様のアメリカがお喜びですぞ。外相も前原氏で、アメリカはご満悦。  属国の状態は、いったいいつまで続くのか。日本は「国益」よりも「米益」を優先する、珍しい国家である。 http://www.afpbb.com/article/politics/2756243/6184614 http://www.okinawatimes.co.jp/article/2010-09-16_10263/ http://jcj-daily.seesaa.net/article/162934922.html

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夕顔

 夕顔を庭で咲かせている。    今年は暑かったせいか、夜遅くなってからでないと咲かなかったのだが、最近涼しくなったからか咲き出す時刻が早くなった。  闇の中に静かに咲いている夕顔は、幽玄さも漂う。  ここにその写真を掲げるが、咲き始めの初期のもので、あまりよい写真ではない。でも、夕顔とはどういう花かを知ることはできるだろう。

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新聞が政治を動かす、という野望

 「読売新聞」が、政治の表舞台に出て、積極的に世論形成をはかるために、きわめてイデオロギッシュな紙面作りをし始めたのは、ナベツネが読売の幹部になってからだではなかったか。  いまなお「産経」は、購読部数が少ない中で、右翼の立場で論陣を張っている。  こういう姿勢に、今「朝日新聞」が「読売」的な新聞になろうとしている。今回の民主党代表選挙の当日の社説がそれを物語る。「朝日」が、政治を動かそうとしているようなのだ。  9月14日付けの社説について、五十嵐氏が論じている。  http://igajin.blog.so-net.ne.jp/  ところで、今日 『DAYS JAPAN』10月号が届いた。そのなかの斉藤美奈子氏の「なんでこんなに差が出るの?!電話世論とネット世論」という文章に紹介されていたこと。  「報道オンブズマン日本」によるアンケート。  「新聞は公正で正確な報道記事を掲載していると思いますか」「テレビでは公正で正確な報道が行われていると思いますか」という問いに対する回答は、いずれも「思わない」が98%。  マスメディアは、報道機関として末期症状にある。  

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君たちの勝利だ!

 菅が再選されたそうだ。  この再選は、アメリカ政府とアメリカの軍需産業、検察官僚、霞ヶ関官僚、財界などの意思が、マスメディアの強力な力をバックにして、獲得されたものだ。  まさに君たちの勝利である。 http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-9b62.html http://www.fujiwarashinya.com/talk/index.php http://www3.diary.ne.jp/user/338790/ http://www.the-journal.jp/contents/futami/2010/09/post_27.html

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沖縄・名護市議選

 沖縄の辺野古、日米両政府がオスプレイの新しい基地を建設しようとしている名護市で、建設反対を主張する稲嶺名護市長と足並みをそろえる議員が、過半数を超えた。 名護市議選、与党が圧勝 普天間移設一層困難に http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-167515-storytopic-124.html  そしてこの選挙について、目取真氏は書いている。その通りだと思う。 http://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/79f4f3cec53c00e94cc8d534c047049e  日米両政府よ、辺野古へのオスプレイ用の新基地建設をやめなさい!!

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定期試験としての世論調査

 このことについては、前に書いたことがある。最近のマスメディアの報道姿勢は、目に余る。ほとんどのマスメディアが、同じ内容の報道を洪水のように垂れ流す。  現在は、マスメディアは小沢一郎が嫌いなようで、小沢は悪いやつだと、様々な描き方で報道する。描き方は様々だが、方向性は同じである。  こういうような洪水のような報道が目につくようになったのは、小選挙区制導入時の報道(小選挙区導入に賛成しないのは非国民であるかのように報道した)、あるいは小泉選挙の頃だったのではないか。どこも同じ候補者(刺客)を追って、テレビや新聞に同じ人物が大きく取りあげられる。そうなると、その人物について、頭の中にいやでも入ってきてしまう。  新聞、テレビ、週刊誌など、怒濤のような報道を行って、国民がどれだけその報道の影響を受けているか試験する、それが世論調査だ。  こういう報道のしかたについて、自己批判するところはないのであろうか。  http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/74c51745716cb1c298bcc760c68f2860  http://blog.livedoor.jp/ikedakayoko/archives/51471737.html  そういえば、今日の「中日新聞」のコラムが良かった。  池波正太郎さんの『鬼平犯科帳』にこんな話がある。放火犯や盗賊集団を取り締まる火付(ひつけ)盗賊改方(あらためかた)の密偵が、同心に手柄を立てさ…

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アフガンから帰国した常岡氏

 アフガンの一部勢力に囚われていた常岡氏が帰国した。常岡氏がいかなる勢力に誘拐されていたのかが、下記のサイトでみることができる。  アメリカは、イラク戦争で敗退し、今度はアフガンで敗退する。アメリカの軍事的威信はいずれ崩壊するだろう。軍事的威信をなくすということは、アメリカは「世界の憲兵」たる地位から脱落するということにつながっていくだろう。そういうアメリカの「属国」でよいのか、それが問題だ。 http://www.jimbo.tv/videonews/000702.php

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民主党代表選

 マスメディアは、決して公平ではない。今回の代表戦は、全マスメディアが小沢はだめだ、菅でいこう!と叫んでいる。  マスメディアは、自公政権のときの、財界、官僚、アメリカ、そして第四の権力と言われるメディア権力による複合権力に戻そうと躍起になっているようだ。  マスメディアは、こんなことをしている。それは日本テレビである。 http://www.fujiwarashinya.com/talk/index.php

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責任を追及すべきだ!

 厚労省の村木厚子さんが無罪となった。公判の推移を見ていれば、当然無罪となるべき事案である。この無罪判決について、各社は社説で特捜の責任を問うている。たとえば、「中日新聞」は、「村木元局長無罪 説明せよ 検察の暴走」という社説を掲げた。  しかし、説明するだけでよいのか。警察や検察が冤罪をつくりだす経緯をみると、犯人に仕立て上げようとする人物の自由を拘束(村木さんの場合は150日以上)し、被疑者としての人権を尊重せず、無理難題を押しつける。まさに手は出さないけれども、権力による〈暴力〉そのものである。  そういう〈暴力〉をふるった者(実行者ならびにその上司など)に、説明責任だけではなく、厳しい責任を課すべきである。たとえば辞職させるとかの行政責任、さらには無実の人の自由を拘束したのであるから、刑事責任、民事責任を追及すべきではないのか。  検察官や警察官が、個人として責任を負わない構造がこのような冤罪をつくり出すのではないか。もし無責任構造をそのままにするなら、最低限取り調べを公開すべきである。今回の特捜による取り調べは、特捜がつくりあげたシナリオ以外の被疑者の発言を一切無視する、それも特捜が求める供述を得るために机を叩いたり、罵声を浴びせたりしたという。そういうことをさせないためには、公開しかない。  特捜の捜査がこれほど否定された判決もないだろう。厚生労働省の公文書偽造事件で村木厚子元局長に無罪が言い渡された。裁判員時代にこのずさんである。検察当局はよく調べ説明すべきだ。 …

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やっと秋?

 台風が来る前頃から、朝は涼感を覚えるようになった。やっと、秋が近くまで来たのかなあと思う。今年の夏はほんとうに暑かった。  私は少しの畑で野菜をつくり、また庭で花の栽培もしている。この地方は、台風が来るまで3週間以上も雨が降らなかった。毎日毎日強い日差しが照りつけ、鉢植えの花に、朝、水やりをしてあっても、夕方見ると水分欠乏でぐったりしていることが多かった。一日2回、あちこちに水やりをするため、多くの時間を費やした。  また毎年夕顔を咲かせているが、昨日まで夜遅くなってからでないと完全に花びらが開かなかったのだが、今晩は7時頃、かすかな街灯の光に純白を浮き立たせていた。私は、朝顔より、夕顔が好きだ。  今年は、野菜にも花にも、多く害虫が発生し、葉を食べられた。葉がなくなって花だけが咲くというみじめな状態に陥ったものもある。  植物というのは、世話をするときちんとこたえてくれるから良い。もちろん害虫などにやられることもあるが、生態系を維持すべく、蝶の幼虫であったなら、食べさせてあげている。  今、我が家の庭からは、秋の虫の音が聞こえている。  町田の住人は、こういう体験はできないだろう。

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韓国 光州事件30年

 昨日『世界』10月号(岩波書店)を買った。ぱらぱらと見ていたら、山口泉氏の「5.18と8.15の間」という文が目に入った。  今年は全斗煥政権が暴虐をほしいままにした光州事件から30年だという。忘れていた。韓国強制併合100年、大逆事件100年、60年安保闘争50年と、私は日本国内だけ見ていた。  まことに恥ずかしい限りだ。  私は未だ光州に行ったことはないが、来年あたり訪ねてみようと思う。  韓国の軍隊が、民主義を求める光州の市民に発砲し、多くの市民を殺傷した。あのときニュースを見ながら、私は激しい怒りと、悲しみと、自らの無力を感じた。  you tubeで、何が起きたかを見てほしい。韓国の民主主義は、民主化を求める多くの屍のうえに築き上げられている。 http://www.youtube.com/watch?v=uTowG4aHHyg&feature=related http://www.youtube.com/watch?v=88sYng9XBOg&feature=related

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アメリカの傲慢さ

 宗教はアヘンだという言い方がある。  私の先祖は曹洞宗の寺院に祀られているが、私自身は特定の宗教をもっているわけではない。そういう立場から見ると、特定の宗教集団に入っている人びとに接するとき、非寛容や傲慢を感じることがある。宗教は、したがって、怖い面がある。  最近のニュースで、アメリカのキリスト教会の牧師が、9月11日にコーランを燃やす計画を立てているという。コーランを燃やしてテロと戦うというのだ。何というばかげた宗教家であることか。この牧師は、テロと戦うといいながら、ムスリム全体を敵にしようとしているとしか思えない。愚行である。  たとえイスラム教徒によるテロがあったとしても、圧倒的多数はテロに関与しているわけではない。少し考えればわかることなのに、そういうことも考えずにこのような愚行を計画する、この宗教家の何という傲慢なことか。  しかしこの傲慢さは、この牧師一人のものではない。アメリカという国家自体が傲慢な国家なのだ。その傲慢さが、このような人に象徴的に出現するのである。  アメリカの歴史学者で、ジョン・ダワーがいる。最近Cultures of War: Pearl Harbor / Hiroshima / 9-11 / Iraqという本を刊行したようだ(邦訳はない)。その一部が下記に紹介されている。 http://japanfocus.org/-John_W_-Dower/3405  そのなかに、1941・12・8の日本の真珠湾攻撃に関する問答…

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「朝日」の偏向報道

 新聞は「中立」だなどと新聞社は言う。しかし新聞は、「読売」や「産経」、「日経」のように旗色を明確にしている新聞社もあるが、「朝日」、「毎日」などはそう自らの立場を明らかにしていないといわれている。  しかし「朝日」の場合、小泉内閣の時にそれはウソであることを社説などで明白に証明して見せた。そういう新聞の購読は即やめるべきだと思い、私は購読を停止した。  それでも「朝日」にこだわる人びとがいる。私には信じられない。町田の住人も、いまだに「朝日」をとっているという。  法政大学大原社研の五十嵐さんは、「朝日」の偏向を二回にわたって指摘している。 http://igajin.blog.so-net.ne.jp/  「朝日」に幻想を持ってはいけない。「朝日」は、今や「産経」などと肩を並べる新聞社なのだ。 社説などで明らかに

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【本】大岡昇平『ある補充兵の戦い』(岩波現代文庫)

大岡の戦争文学の一冊。この本については、川本三郎の見事な解説があり、それに付け加えるものはない。  川本が言うように、大岡は見る人である。何を見るかというと、まず自分自身であり、周辺にいる「戦友」のひとりひとりであったり、時にはミンドロ島の自然であったり、そこに住む人々の家屋や生活であったりする。「時には」を自然や住民たちの生活などにつけたのは、旅行記などの風景を叙述する(紹介する)文ではないからだ。何時襲ってくるかもしれない死と向き合いながら、私から見ればきわめて過酷な軍隊生活をおくるのであるから、描かれたものは部分的である。  大岡の目は、理知的な目である。その目はまず自分自身に向く。自分自身の精神の動きを、冷静に理知的に書き綴っていく。戦場における自分自身の精神の動きを緻密に、周囲の状況を織り交ぜながら、よくもこのように書けるものだと感心してしまう。このような戦場での精神の動きを記憶していたのだろうか。  印象に残った箇所を抜き書きしておこう。  私はこの負け戦が貧しい日本の資本家の自暴自棄と、旧弊な軍人の虚栄心から始められたと思っていた。そのために私が犠牲になるのは馬鹿げていたが、非力な私が彼等を止めるため何もすることができなかった以上止むを得ない。当時私の自棄っぱちの気持では、敗れた祖国はどうせ生き永らえるに値しないのであった。しかし今こうしてその無意味な死が目前に迫った時、私は初めて自分が殺されるということを実感した。そして同じ死ぬならば果たして私は自分の生命を自分を殺…

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消費税の増税

 日本国家の財政が悪化している・・・ということで、マスメディアやテレビなどにでてくる大方の評論家は、きわめて安易に消費税をあげるしかないと叫ぶ。しかし、今日の「中日新聞」、そしてそこに紹介されている斎藤貴男氏の著作にあるように、私たちが商品やサービスを購入するときに支払っているはずの消費税が、実際は国庫に入っていないというのだ。それは、消費税そのものの構造にある。  したがって、消費税が逆進性を持つというだけでなく、それ以外にも大きな問題を抱えていることを認識すべきである。  国の税金のうち、最も滞納額が多いのは何税か、ご存じだろうか。答えは消費税。二〇〇九年度に新たに発生した国税の滞納額七千四百七十八億円のうち、消費税はほぼ半分に当たる三千七百四十二億円だ ▼前年よりは約9%減ったが、新たに滞納される国の税金のうち、消費税が占める割合は一九九〇年代後半から四割を超えている。その背景に、価格に消費税を転嫁できず自己負担せざるを得ない中小・零細事業者の存在があるという ▼ジャーナリストの斎藤貴男さんは、自著『消費税のカラクリ』で「消費税という税制の大本に無理がある」と指摘、税率をさらに上げれば、小さな自営業者は倒れ、社会は大混乱に陥ると警鐘を鳴らしている ▼民主党代表選はこの土日、厳しい残暑の中、街頭で舌戦を繰り広げた。前のめりの増税論で惨敗した参院選に学んだのか、菅直人首相はこれまで「社会保障の財源としての消費税のあり方を議論する」程度の表現にとどめ、踏み込んだ主張はしていない …

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なぜ『故郷はなぜ兵士を殺したか』に否定的な評価をするのか。

私の簡単な書評に対して、「読書能力」や「人格」が疑わしいという批判を受けた。そこでもう少し、なぜこの本に否定的な評価を与えたのか、簡単に説明しておこう。  著者は、「はじめに」で、本書に関するいくつかの問題意識を記している。  「(死者の意義付けをする「主体」として〈郷土〉を挙げ)個人の感情と国家の論理の間で、郷土がどのようなかたちで兵士たちの死を意味付け、あるいは意味付けなかったことが近現代日本の人びとの戦争観というべきものをいかに規定してきたのかを問いたい」(5ページ)。「〈郷土〉はいかなる手段で兵士の死、苦難の意味付けを行ったのだろうか」(6ページ)、「〈郷土〉がいかに兵士たちを拘束し、やがて見捨てていったのかを明らかにしていきたい」(6ページ)、「市町村といった地域社会に焦点を合わせることで、ごく「普通の人びと」がどのような文脈で自己と戦争を関連付けたり、あるいは関連付けることを忘れていったのかを追究していきたい」(10ページ)。これらが本書のテーマであろう。見られるように、主に〈郷土〉という視覚から、戦争との関連、兵士の死の意味付けについて考えていこうというものだ。  以上のテーマに基づいて著者は本書を書いているのであるが、その内容について、私が疑問をもつところをいくつか記しておきたい。 (1) 著者は、〈郷土〉を「主体」としてとりあげようとしている。だが、そもそも日本が行った戦争について、国家が動員した兵士たちの死について、〈郷土〉が独自に意味付け(意義付け)…

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【本】一ノ瀬俊也『故郷はなぜ兵士を殺したか』(角川選書)

この本、いろいろ書いてあるが、あまり目新しいことは書いていない。何を明らかにしようとしているのか、焦点が定まっていない。  明らかにすることは、「死んだ兵士の意義付けと生きた兵士の意義付けは同時並行で、同じ〈郷土〉という主体によって行われた。その過程で、生きた兵士には死んだ兵士に“倣う”ことが要求されていったのである。これを中心となって担ったのは国でも近隣の親しい人びとでもなく、〈郷土〉の人びとであった。その意味で、〈郷土〉は人びとにとって親しいものであったけれど、同寺に彼らを拘束し、死へと追いやるという面も持っていた。」(はじめに)だというのだ。  死の意義付けは、当然国家が行っているのであって、一ノ瀬氏が使用しているたくさんの資料は、ほとんど公表を前提にしたものであるから、国家に追随する意義付けにしかならない。読んでいて、最初からそんなことわかっているでしょう、と言いたくなった。  また「同時代人にとっての日露戦争の意義なるものは、果たして後世のわれわれが思うほどに明快だったのだろうかと一度疑ってみてもよいのではないか」と記しているが、動員された兵士や一般の庶民たちは、今まで「日露戦争の意義」なんていうものが「明快」だったことなんてあるの?と、私は聞きたくなってしまう。  また「戦時中の人びとは、自分がなぜ戦争に行くのかを考えるにあたって、「お国のため」ということはあっても、「郷土のため」ということはほとんどなかった。この出征兵士が「故郷のために戦う」と述べたのは、戦争末期…

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アメリカと財界に支持される菅総理

 「東京新聞」(「中日新聞」)に、アメリカのジャパン・ハンドラーの一人、マイケル・グリーンが、小沢氏を酷評しているという記事が載った。記者が何のために書いたのかは知らないが、アメリカは菅が好きだということ、つまり菅の方が操縦しやすいということだ。    それについて、五十嵐さんが書いている。 http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2010-09-02  今日本に求められているのは、アメリカからの自立、財界の要求からの自立であり、また景気回復を国民の消費を喚起する中で図っていくことが求められている。  菅は、「雇用、雇用・・・」といっていたが。 http://blog.goo.ne.jp/rojinto_goken/e/d346ad535459b7e140e91dfab5e6ee36  記者会見や討論をきいていると、菅より小沢の方がベターであることが明確になってきている。

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小沢氏を支持する

 共同記者会見を見た。  まず菅は、「官僚」の菅(官)になっている。脱「官僚」をめざすなら、菅ではだめだ。  また菅は、沖縄辺野古への基地新設に賛成を唱えた。アメリカのジャパンハンドラーや外務省・防衛省の官僚たちがまとめた方向に完全に向いている。官僚とアメリカのジャパンハンドラーに魂を売ったようだ。  私は、以下のような意見に賛成する。 http://www.amakiblog.com/archives/2010/09/01/#001659 http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-c6af.html http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2010-09-01  今まで日本をいいように扱い、利益を吸い上げてきた勢力から自立し、新しい日本をつくるためには、菅ではなく小沢を支持したい。  といっても、私は民主党に関係していないので、選挙権はありません。

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民主党 代表選挙

 私には民主党に期待するつもりはない。ただ、昨年の総選挙の時、今までの悪政を続けてきた自民党・公明党の政権より少しはましかなと思ってみていた。政治は、絶対的によいというものではなく、betterを求めていくしかないのだから、民主党政権も自公政権の悪政を少しは変えるのか、と少しは期待もした。  しかし、沖縄・普天間基地問題についての鳩山前首相の行動は、民主党政権に対する失望を強めた。さらに管氏が首相となってから、消費税の増税、マニフェストの変更など、みていると自公政権に舞い戻るのではないかと思い始めた。岡田外相なんかは、悪政を垂れ流した自公政権の外相でも務まるだろう。  そして今度、小沢氏が出馬するという。私は、小選挙区制を積極的に導入するなど、自民党政権の担い手の一人であった小沢氏の今までの政治経歴からは、とても支持することは出来ない。  しかし、もし小沢氏が、総選挙の際に民主党が出したマニフェストに戻るというのなら、小沢氏にやらせてみたいと思う。  小選挙区制が施行されてから、日本の政治は悪くなった。議員たちも、世のため人のため、という観点からではなく、自らの名誉欲などのためにでているようだ。私の選挙区の民主党議員など、自民党でも民主党でも、当選できる方に属す、というような傾向の人物だ。とにかく、政治家になることであって、その後がない、つまり世のため人のために何をするのかという展望をもたない。  私は、小選挙区制を改めるべきだと思う。小選挙区制は、二大政党制をつくる…

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贖罪の番組

 民放番組を見ることはほとんどない(最近ケンミンショーは見ている)。なぜかというと、バカ番組ばかりだからだ。  ところが、日本テレビ系列が年一回24時間テレビというものをやっている。日頃のバカ番組垂れ流しを一日で贖罪しようとしているのかもしれないが、ふとみてみたら、なんか押しつけのような気がした。  一年中、障害者問題などを日本テレビ系列が追っているというのなら別だが、たった一日だけ、大勢のタレントを動員して騒いでいるという感じである。悪意でみれば、障害者などを利用して、視聴率稼ぎをしているような、そんな気がする。  そうではない、という意見もあろうが、日本テレビが恒常的にこういう問題を追っているというのなら文句はいわない。  果たして善意なのか、それとも・・・・?

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清見寺

 静岡市清水区興津に清見寺という寺がある。朝鮮通信使が宿泊したりした寺として有名で、いつか訪問しようと思っていたのだが、ついに行ってきた。  さすがに歴史を感じさせる大寺で、風格もあった。清見寺については、HPがあるので見ていただきたい。 http://seikenji.com/  潮音閣からの眺望は美しく、伊豆の方も見えた。現在では企業の建物が海側に建てられているため、景色は遮られているが、昔はすばらしかったのだろうと思う。暑い日ではあったが、潮音閣を流れる風は、心地よさを感じさせられた。  大方丈では説明される方がいらして、清見寺の歴史、宝物などについて、丁寧に教えていただいた。  臨済宗妙心寺派の寺院となっている。  ここは一度は訪問すべき寺である。  ただ、寺宝は宝物殿にあるということで、見られないのが残念であった。

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こう暑いと・・・・

 猛暑が続く。猛暑のもとでは、エアコンがないと生活できない、下手をすると熱中症で命まで落とす。何ともやりきれない。  今朝起きてみると、汗にまみれていなかった。日中はエアコンを使用するが、今のところ就寝のさいには、扇風機で何とか対応している。夜間暑いと汗にまみれ、シャワーを浴びないとすっきりしないこともある。だがエアコンを使用しないで眠ることは、もうできなくなるかもしれないと思う。  さて金曜日朝、車を走らせていると、子どもたちの集団登校の姿があった。通常は9月1日から二学期が始まるというのが普通であるが、昨今は夏休みの日数を減らして、こうして8月末から二学期を始める学校が増えているようだ。  だがこの暑さ、果たして授業などに集中できるのであろうか。教室にエアコンを装備する学校が増えているという。確かに、もうそういう時期なのかもしれない。だがそれを動かす電気代はかなりの額にのぼるのではないか。  学校の屋根は、どこでも広い。そこにソーラーパネルを取り付けるのはどうか。風力発電は周辺の住人に健康被害を与えるようだ。太陽を利用した発電はそうしたこともなかろう。  政府は、エコポイントなる、10数年前の車より燃費が良くなっているからという理由であろうが、普通の自動車を減税して、販売の促進をしている。電化製品もそうだ。我が家ではその恩恵をいっさいうけていない。政府のこうした政策では、もっとも生活に困っている人びとには救いの手がさしのべられないと思っているから、あえてそのエコポ…

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