テーマ:歴史

『UP』10月号は面白い

 東京大学出版会が出しているPR誌『UP』の今月号は面白い。  まず第一。「伴大納言絵巻のなかの“暗号”」がある。後白河法皇が描かせたといわれるその絵巻、866年の「応天門の変」の顛末が描かれている。このほどその絵巻を赤外線による撮影、蛍光X線による分析、高精細デジタル撮影した結果の一部が、黒田泰三氏によって記されている。この撮影…
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戦後歴史学を担う人々

 今日、実家に届いていた『歴史学研究』の月報を手にした。佐藤和彦氏(中世史)のご逝去について、三人の方が追悼記を記しておられた。その追悼記には佐藤氏の研究者としての、人間としての魅力が短い文章ではあるけれども、記されていた。佐藤氏については面識はないけれども、『南北朝の内乱』(小学館)などを読んだことがある。  最近戦後の歴史学を…
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【本】藤木久志『刀狩り』(岩波新書)

 これはたいへん面白い本である。「刀狩り」に関する固定観念を吹っ飛ばす。  秀吉の刀狩りによって、日本人は武装解除されたという「通説」が見事にひっくり返されている。  刀狩り以降も、人々は武器を持っていた。ただし、その武器はもっていただけで「武器」として使わなかった。「刀狩り」は、武器を「武器」として使用させないための法であったよう…
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【本】『浜松まつりー学際的分析と比較の視点から』(岩田書院)

 友人から『浜松まつり』という本が送られてきた。恵贈に感謝する次第であるが、しかし私は5月の連休に行われる浜松まつりには、一貫して冷ややかである。浜松まつりの売り物のひとつは凧揚げであり、もう一つは夜の御殿屋台の引き回しである。前者は最近砂浜の浸食が激しい中田島海岸で行われる。この本に関わった者ではないが、ある「学者」は、中田島という場…
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【本】 『UP』4月号と『歴史学研究』4月号

 『UP』は東大出版会の宣伝誌。毎年4月号は、“東大教師がすすめる本”の特集である。異なった分野の研究者が薦める本の知識を得るために一応読んではいるが、あまり買わない。しかし、そのコーナーではなく、新藤宗幸「憲法の「再生」とは」を読んでいて、山上民也『再建の理念』という本を知った。山上氏は現在92歳、大分信用金庫の会長であるが、『再建の…
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【本】森博達『日本書紀の謎を解く』(中公新書)

 推理小説を読むより面白い。末尾の「真実はいつも簡単だ」という言葉も含蓄がある。  日本書紀を漢字の音韻、語法で分析し、全巻30巻をα群、β群、そして30巻の三つに分け、α群の筆者を唐から渡来した学者、続守言(巻14~巻21)、薩弘恪(巻24~巻27)とし、巻30を除いたあとの巻(β群)を山田史御方(彼は中国への渡航経験はなく、朝…
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明日香村、大和路への小旅行

 21日、22日と、小旅行をした。行き先は、奈良県の明日香村と、奈良市である。    昨年の総選挙以後、『朝日新聞』から『中日新聞』にかえたのだが、残念ながら静岡県東海本社で発行している『中日』は、ローカルの記事が多くて、全国的な記事が載らない。東京・町田に住まいしている方から、最近考古学上の発見が相次いでいる、自身も九州からの帰途…
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【本】丸山茂徳・磯崎行雄『生命と地球の歴史』(岩波新書)

 1998年に出版されたこの本、2004年1月で13刷り。それから2年が経過しているから、もっと売れているだろう。  この本は、普通の地学の本ではない。生命の歴史と地球そのものの歴史との相関関係を歴史的に記したものである。  私たちが基本的に知覚しているのは地球の表層環境であるが、そしてそれにもっとも影響を受けるのであるが、しか…
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【本】帚木蓬生『国銅』(上・下) 新潮文庫

 山口県美東(みとう)町に長登銅山跡がある。その銅山で課役に服していた国人(くにと)の物語が、この「国銅」である。  長登銅山の説明は、以下のようである。  「昔、奈良の大仏に銅を貢納したので、奈良登りがなまって長登になった」という言い伝えがあります。  昭和47年の調査で、奈良時代の須恵器が出土し、日本最古の銅山であるこ…
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加害の記憶を振り返るとき

 手杵祭り(矢代祭り)を知っていますか? http://www.city.obama.fukui.jp/maturi/tekine.htm   4月3日、福井県小浜市の矢代地区加茂神社で行われる例祭である。それは、  奈良時代に、矢代の村に漂着した唐の女王の一行を、財宝に目がくらんだ住民が襲い惨殺したという歴史、悲話を悔み…
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やっと 書き終えた

 やっと自治体史の執筆が終わったので、これからはいろいろなことを書き続けることができるだろう。  今日書き終えたのは、経済更生運動についてである。私が担当している町は、戦後二つの町が合併した。一つは昭和恐慌の後、1941年から満州移民事業に取り組む(42年送出)。もう一つは、恐慌期から経済更生運動を続け、1940年度に特別助成を受け、…
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【本】徳永恂・小岸昭『インド・ユダヤ人の光と闇』(新曜社)

 副題に「ザビエルと異端審問・離散とカースト」とある。  内容は、1492年という年がスタートである。この年、スペインにいたユダヤ人が追放された。彼らの一部はインドに逃れ、そこに住んだ。彼らはマラーノと呼ばれた。「豚」という意味だそうだ。しかし、カトリックのポルトガルがインドに進出し、彼らは異端審問のなか、殺害された者もいた。イエ…
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【本】小林英夫『満州と自民党』(新潮新書)

 日本に高度経済成長をもたらした「日本的経営システム」が「統制経済」の流れの行き着く先であったとして、統制経済の実験場であった満州経営に参画した面々と戦後政治の担い手との連続性を記したものである。代表的な人物として、岸信介がとりあげられている。ただし、他の人物についても取り上げているので、岸についての叙述は多くはない。すでに岸については…
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歴史・・・・・

 私の家は、昔の東海道から少し入ったところにある。東海道の松並木がまだ少し残っている。私はそこを通るとき、そっと松に触れる。太く、がっしりとした佇まいである。この松が、ずっとこの地で東海道を通過する人々を見つめながら佇んでいたことを想うと、なぜか感動を覚えるのである。  おそらくこの松は、植えられてからずっと、少しずつ成長しながら…
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沖縄のこと(2) 読谷村史Web版

読谷村は、沖縄戦で米軍が上陸し、多くの犠牲者が出されている。その読谷村が編纂した「読谷村史」上・下巻が、何とweb上で読めるのである。 市町村史は通常分厚い本となって、だいたい5000円くらいで売っているというのが普通である。ところが、読谷村はほとんどすべてWebで読めるようにしている。これは画期的なことだ。  私も自治体史に関係し…
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沖縄のこと(1) 読谷村平和資料館

 沖縄に読谷村という小さな村がある。戦争末期、上陸してきた米軍に占領され、村民に多くの戦争死者がだされたところだ。現在村の面積の45パーセントが米軍基地に占拠されているというところである。その読谷村について、まず一つ紹介したい。  それは、読谷バーチャル平和資料館である。     http://heiwa.vill.yomitan.…
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【本】木村元彦『終わらぬ「民族浄化」セルビア・モンテネグロ』(集英社新書)

 旧ユーゴの内戦はすでに過去のものになったような状況がある。日本ではほとんど報道されない。日本のマスメディアはきわめて移り気であるからだ。テレビが視聴率を追いかけて、次から次へと些細な報道しなくてもよいようなことを追いかけていくと、新聞などもそれを追いかけて新しいものを求めて流れていく。したがって過去の重大事件は過去のものとして、とりあ…
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強制連行を追って

 自治体史で朝鮮人・中国人の強制連行を担当したことがある。他の自治体史を見ても、記述がなかったり、あっても政策的な展開かあるいは連行された場所などが書かれているだけであった。  私は、実際に連行された人の声を載せようと思った。ある年の年末、私は釜山に飛んだ。二泊三日のツアーに申し込んだのだ。半日だけ、観光につれていってもらい、後は自由…
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大井川最初の発電所は、小山発電所ではない!!

 昨日、川根町で“大井川 水 シンポジウム”が開かれた。「取り戻そう! 大井川の清流!」がテーマであった。しかしその資料に間違いがある。大井川最初の水力発電ダムを、まだ小山発電所としているのだ。そうではなく、東海紙料(現・東海パルプ)の地名発電所である。小山発電所は1912年、地名発電所は1910年である。  私は、講演会や『本川根町…
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軍隊と住民

 NHKスペシャル「沖縄 よみがえる戦場」で、日本兵による住民虐殺の事件がとりあげられていた。そのなかで生き残った二人が戦後60年を経て会うことができた、ということに感動を覚えたが、父を日本兵に殺され、自らも手榴弾の破片を全身に受け「戦後」を生きてきた彼女の今までの生活を想像すると、同情と共に怒りを禁じ得ない。  沖縄における住民…
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山村の生活日誌(大井川中流域・徳島若太郎日誌のこと)

 大井川中流域の山間部、榛原郡中川根町の徳島家に、1894年ー明治27年4月から1914年ー大正3年12月31日までほぼ毎日書きつがれた日誌が残されている。徳島若太郎の日誌である。  1865年に生まれた徳島若太郎は、村吏員を経て村長に就任したり、茶業組合の幹部になるなど、地域で大いに活躍した人物である。彼の日誌には、村政だけでな…
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「戦争に関する責任」をもう一度考えるの?

以下の条文は、日本国との平和条約(1952年条約第5号)の前文と、極東国際軍事裁判所(東京裁判)に関する条文である。  日本は、この条約を承認して国際社会に復帰した。これにより法的に戦争状態は終了したのである。但し、中国とかソ連とか、この段階では除外された。  いわゆる極東軍事裁判所の判決を「勝者の裁き」だとして受け付けようとしない…
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神戸大学付属図書館デジタルアーカイブ

 インターネットで新聞資料を利用する際、便利なのが神戸大学付属図書館のデジタルアーカイブである。神戸大学では多くの新聞の切り抜きを所蔵している。神戸大学の前身である神戸高等商業学校が集めたもので、その「概要」には、こう記されている。 “「新聞記事文庫」は、神戸大学経済経営研究所によって作成された明治末から昭和45年までの新聞切抜資…
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1930年台湾・霧社事件

 今回も、戦争について過去に書いたものを紹介する。 *********************************************************** 霧社事件  今年は霧社事件から75年という年にあたる。台湾で起きたこの事件と静岡県とは地理的にあまりに離れてることから、その関係について記されることはなかった。…
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日中関係

 政治に携わる人々は、過去の政治家達が行った様々な外交努力についての認識をきっちりと持つべきである。  よく日本は何度謝罪すればよいのか、ということを主張する人がいるが、政治の中心にいる人々は、その謝罪の路線上に自らの行動を置かなければならないのである。日中関係ならば、1972年の日中共同声明、1978年の日中平和条約、あるいは199…
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「大日本帝国」と地域史

昨日に引き続いて、過去に戦争について記したものを少ずつ紹介していく。これは、それぞれの自治体が編纂している自治体史について、考えたことを記したものである。 「静岡県近代史研究会」会報に載せたものである。 ***************************************************************…
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B29 体当たり事件(1945/5/29)

今年は戦争が終わって60年、戦争について書いたものを、少しずつ紹介する。今回は、B29に体当たりした朝鮮人・日本兵のことについて紹介したい。 ********************************************************************************* 1944年6月、中国…
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電子図書館「近代デジタルライブラリー」

 国会図書館のホームページに「電子図書館」があり、そのなかに「近代デジタルライブラリー」がある。これが大変便利なのである。  ささやかではあっても、地方都市で歴史の研究に従事していると、地元にはない資料、文献が必要となることもある。現在出版されている書籍については、購入するようにしているが、手に入らないものについては図書館のお世話にな…
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【朝日川柳】から(2005/5/7)

 今日の「朝日川柳」には、なるほどという川柳がいくつか載せられていた。 (1)「戦場に行かない人の改憲論」(糸井恭子 さん)    その通り、国会でいろいろ議論している人は、戦争にはいかない。あるいは親族に自衛隊員が いる議員もいるかもしれない。だがおそらく死なないだろう。旧日本軍は、下級兵士ほどたくさん死 んでいる。戦死にも…
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【本の紹介】三崎亜記『となり町戦争』

 話題となっている本である。だから読んでみた。  カフカの『変身』の如く、すでに「事態」のなかに自分自身が存在してしまっているという恐怖。しかし同時に、与えられた「事態」の上に自分自身が生きているという感覚。しかし、現実的な日常の生活はほとんど変わりはない。日常の中の「非日常」、「非日常」のなかの「日常」。  この場合の「事態」…
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