社説

 全国紙の社説の多くは、政府の政策を支持拡大させようという内容が多い。ところが地方紙の社説をインターネットで読んでいくと、問題意識をもった地域の現実を踏まえた現実的な批判がなされている。  新聞は、もう全国紙の時代ではないと思う。全国紙は日本の支配層が顔を向いている日本経団連などの大企業、そしてアメリカ向けの内容を垂れ流しているといってもよい。  今日の社説をみても・・・・たとえば『徳島新聞』。全国紙の持って回ったような内容ではなく、ストレートに論を展開している。こういう社説を、全国紙では見なくなった。  これから、地方紙の社説を紹介し、全国紙の主張ばかりではないことを紹介していきたい。 原発最長60年  運転延長は許されない  細野豪志原発事故担当相が原発の運転期間を原則40年に制限することなどを柱とする原子炉等規制法の見直し案を発表したにもかかわらず、その11日後の17日、政府は例外的に認める運転延長を「20年を超えない期間」とする新たな規制方針を打ち出した。  これにより原発の運転期間は原則40年、最長60年となる。電力会社が延長を申請し、審査の結果、問題がなければ60年の運転を認めるという「抜け道」をつくったといえる。  原則40年という原発の「寿命」をないがしろにするもので、政府の姿勢には疑問を持たざるを得ない。東京電力福島第1原発事故の深刻な影響を考えれば、原発に対して厳しい安全規制を求めていくのは国の責任であり、当初から例…

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こうしたい、という願望あるいは理想はあるか?!

 毎年8月15日は、1945年8月に「終わった」戦争を振り返る。「終わった」に「」をつけたのは、日本では戦争は終わったが、日本が植民地支配をしたり、戦争中侵出していったところでは、1945年には戦争は終わっていないからだ。日本は「大東亜共栄圏」というスローガンを掲げて戦争を正当化した。しかし、「大東亜」とともに「共栄」していこうというスローガンは、いわゆる「戦後」の日本のあり方によってそれが虚構であったことが露呈している。それは、東アジア、いやアジア全体について、日本は正確な認識を持たす、自らの経済的繁栄(「大東亜独栄」)のみを追求し、「戦後」におけるアジアの苦難を顧慮することがなかったからだ。    ひたすらアメリカに追従し、「属国」として、アメリカへの「貢ぐ君」として、生きてきた日本。そういう日本をどうするか。あるいはこれまでの日本の歩みをどう考えるか。そうしたとき、どんな理想を持って、何を基軸にして考えていくかがきわめて重要となる。  このような視点から8月15日の各社の社説を見ると、新聞社の格付けができる。  まず「朝日」。「65回目の終戦記念日―「昭和システム」との決別」という題である。久しぶりに長い文であるが、何を主張しようとしているのか定かではないし、「昭和システム」なるものと決別してその後をどう展望するか、がない。ここ10年くらい、「朝日」の主張は、内容がなく、ただことばを連ねているだけで、具体性がない。「現実」肯定が進みすぎて、理想を持てなくなっているのだ。  …

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ことばに情熱を。

 核兵器という最強の暴力に抗して、私たちは核兵器の廃絶をめざさなければならない。その暴力に抗するための最強のものは、“ことば”だろう。  “ことば”がもつ力、そこには表される内容と、もうひとつ、その“ことば”を理解してほしい、考えてほしいという“熱”がなければならない。“ことば”をただ書き連ねるだけでは、その“ことば”は力をもたない。表そうとする者の“熱”があってはじめて、“ことば”は力をもち、その内容が伝わるのである。  ここに二つの文を並べる。社説である。社説は、新聞社のもっとも重要な“ことば”だ。どちらの“ことば”が、力を持つか、比べてみてほしい。これが現在の新聞社のレベルを表す。“ことば”が持つ訴える力は、その“ことば”を発する者の真剣度を示す。  少しつけ加えておけば、“熱”を持つためには、当然のことだが、理想を持っていなければならない。   *** *** *** *** *** ***  まず「朝日新聞」の「原爆投下65年―連帯し核廃絶のゴールへ 新しい風が吹いてきた。」という社説である。  今日、広島市である平和記念式にルース駐日米大使が出席する。  原子爆弾を投下した当事国の大使の出席は初めてだ。核保有国の英、仏臨時代理大使も初めて顔をそ…

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格差問題の解決を

 昨日の「東京新聞」社説、「所得格差拡大 放置すれば社会は衰退」を掲げさせてもらう。  すでにこのような現状は新聞やテレビ、本などでしばしば報道されている。しかし未だ何の解決も見ていない。政府が行っている政策のほとんどは、格差の底辺にうごめいているひとびとを置き去りにしたものだ。車やテレビなどを購入すると、エコポイントがくる、ということで、ある程度の余裕のある人はこの経済政策の「恩恵」にあずかっている。しかし、非正規の低所得のひとびとは、この「恩恵」をつかえない。  たとえば、自家用車であるが、1998年以前の車を持っていると、自動車税が10%増税される。買い換えを促進させているということだが、しかし車というのは最低でも100万円くらいするだろう。そういうお金がないひとが増税にさらされる。自家用車を贅沢だと思う向きもあるかもしれないが、地方都市では自家用車は必需品である。  麻生政権がはじめたばらまき政策は、中程度の所得階層と、企業に「恩恵」を与えるものだ。  企業がひとびとを、非正規ではなく、正規労働者として雇用するような法整備が必要だ。企業に対する法人税の減税が主張されているが、労働市場の動向を見ると、企業は正規労働者は雇用したくないようだ。法人税は払いたくない、輸出品に対しては消費税の戻しをもらうなど、勝手なことをしているのが企業である。  企業に対する公共的な規制を強めることが求められている。そういう政策をとらないかぎり、格差問題は解決しない。  今…

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八月一日 「中日新聞」社説。

 今日の「中日」の社説は、格調高く読ませる内容だ。「朝日」などの全国紙社説担当者は、こういう格調高い、内容のあるものを書けなくなっている。 17歳の決意に応える 2010年8月1日  負の遺産を背負って生きる覚悟がなければ、未来を切り開くことは困難でしょう。沖縄の少女が表明した決意は、本土の人々にも原点回帰を迫ります。  戦争放棄と戦力不保持を定めた日本国憲法第九条を、日本各地の方言で表現したCDが、大学一年生、十八、九歳の若者約百人の前で再生されました。  その地域を象徴する祭りばやしや雑踏の騒音などに続いて「方言第九条」が流れます。津軽、岩手県水沢、名古屋、京都、大阪と南下し、一段とにぎやかなせみ時雨が響きました。  その瞬間、「次は広島」と当てたのは一人でした。 ◆忘れられつつある過去  戦争-暑い夏-原爆、あるいは敗戦記念日…高齢の日本人には当たり前の連想が、若者には当たり前ではありません。原子爆弾を意味する“ピカ”や“ピカドン”は死語になりかけています。  原爆を落とされ、太平洋戦争が終わってから六十五年目の八月を迎えました。広島、長崎の原爆死没者名簿には既に計四十万人以上が登録され、毎年八千人以上が追加されます。戦争の傷跡もさまざまな形でまだ残っています。  しかし、過去は日本社会でも急速に忘れられつつあるように見えます。  9・11テロの直後、米国のアフガン空爆を支持した日本政府の立ち位置やまなざしは、B29で日本中をじゅうた…

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今日の「琉球新報」社説

 「慰霊の日/軍隊は住民を守らない 今こそ沖縄戦の教訓後世に」は、たいへんよい文だ。是非多くの方に読んでいただきたい。 2010年6月23日  今から65年前の1945年6月23日、アジア太平洋戦争末期に沖縄で繰り広げられた日米最後の激しい地上戦が事実上終結した。  県援護課によると、沖縄戦の全戦没者は20万666人。日本軍9万4136人(県出身将兵2万8228人含む)に匹敵する約9万4千人の民間人が犠牲になった。  政府はことし5月21日、沖縄戦の定義について、国内「唯一の地上戦」としていたこれまでの表現を「国内最大の地上戦」と言い換えた。  樺太でソ連軍による避難船への攻撃や陸上での無差別攻撃により、計約3700人の民間人が死亡したとされるからだ。 ■「唯一の地上戦」  日本軍は住民に対し、米軍への投降を許さず、軍民が一体となって沖縄戦に突入した。  住民は米軍の攻撃で犠牲になっただけでなく、自国軍によるスパイ視、壕追い出し、幼児の絞殺、強制的な死に追い込まれた。沖縄戦研究者は、民間人の犠牲者数は軍人を上回ると指摘している。  沖縄戦とは、日本の領土で自国軍によって多数の住民が死に追いやられた唯一の地上戦と表現しても過言ではないのではないか。  「国内最大の地上戦」という定義では、無残で残酷な実相が伝わらないのではないかと危惧(きぐ)する。  沖縄戦から導き出された住民側の教訓として、私たちは「軍隊は住民を守ら…

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今日の社説(「中日新聞」) 沖縄のこと

  今日の「中日新聞」の社説、“「抑止力論」の呪縛 週のはじめに考える”は、説得力ある、内容的にもよいものである。  全国紙が軒並み、自公政権が決めた内容で辺野古に新基地の建設を促すようなことしか言えないとき、そのために鳩山首相を非難するとき、このように建設的な意見を提出するブロック紙があるのもよいことだ。もちろん「琉球新報」や「沖縄タイムス」は、正論を日々発しているが、本土の新聞の中でも、こういう正論を主張する新聞がもっともっと出てくるべきだ。  きのうは沖縄返還記念日でした。本土復帰から三十八年。今も在日米軍基地の約75%が集中する現実は日米安保体制の在り方を厳しく問い掛けてきます。  政権発足当初は70%台と高い内閣支持率を誇った民主党政権ですが、八カ月がたって支持率は20%台に落ち込み、青息吐息です。  その大きな要因の一つが、米軍普天間飛行場の返還問題であることは疑いの余地がありません。  当初は「沖縄県民の負担軽減」「最低でも(代替施設の)県外移設」と勢いづいていた鳩山由紀夫首相も、今では「県外は現実的には難しい」と完全に白旗です。  公約守れぬ言い訳  首相は国外・県外移設が難しい理由に「沖縄に存在する米軍がすべて連携し、抑止力が維持できるという思いに至った」ことを挙げましたが、説得力はありません。  むしろ、公約を守れなかった言い訳に、抑止力という概念を持ち出したというべきでしょう。  自ら設定した「五月末決着」という期限も先送りさ…

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5月3日 中日新聞社説

 憲法記念日の社説、最近は全国紙の質がどんどん落ちている。ブロック紙や県紙に秀逸のものが書かれる。全国紙の筆力や理念の劣化が顕著である。  「中日(東京)新聞」、今日の社説は秀逸である。   憲法記念日に考える 初心をいまに生かす2010年5月3日  長い戦争から解放され、人々は新しい憲法を歓迎しました。その“初心”実現に向けて積極的理念を世界に発信できるか、日本の英知が試されます。  米軍普天間飛行場の移設問題が迷走し、憲法改正国民投票法の施行が十八日に迫る中で今年も憲法記念日を迎えました。この状況は非武装平和宣言の第九条をとりわけ強く意識させます。  日本国憲法の公布は一九四六年十一月三日、施行は翌年五月三日でした。当時の新聞には「日本の夜明け」「新しい日本の出発」「新日本建設の礎石」「平和新生へ道開く」など新憲法誕生を祝う見出しが並んでいます。  新しい歴史を刻む息吹  長かった戦争のトンネルからやっと抜け出せた人々の、新たな歴史を刻もうとする息吹が紙面から伝わってきます。新生日本の初心表明ともいえるでしょう。  あれから六十年余、日本は武力行使により一人も殺すことなく、殺されることもなく過ごしてきました。憲法の力が働いていることは明らかです。  しかし、現代日本人、特に本土に住む人たちの胸には先人の思いがどれほどとどまっているのでしょう。少なくとも国内は平和で、戦争を体験した世代も少なくなり、憲法の効果を日常的に意識することはありません。憲法…

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朝日新聞の社説

 「朝日」の社説もよい。    「あの戦争の記憶―世代を超え、橋を架ける」という社説。戦場体験を今こそ知ること、伝えることが大切だと思う。国会議員諸氏の勇ましい言動を見るにつけ、「あなたは戦場へ行くのか」と問いたい。戦争をあおるやつは、絶対に戦場へは行かない。   64回目の終戦記念日を迎えた。驚かされる数字がある。被爆地にある長崎総合科学大学の平和文化研究所が、同大の学生を対象に行った昨年の調査で、「終戦の日」がいつかを正しく答えられたのは33.2%。15年ほど前は5~6割台だった。  戦後生まれは人口の4分の3を超えた。太平洋戦争の戦場から帰還し、健在な人は推計で40万人前後。最後となった1945年の徴兵検査を19歳で受けた人が、もう83歳だ。  あの戦争の記憶をどう受け継いでゆくか。年々難しくなる課題に私たちは直面している。  ■当事者に向き合う  さいたま市の英会話学校で働く神(じん)直子さん(31)は、学生時代にスタディーツアーでフィリピンを訪ねた。現地の集会で、一人のおばあさんに「日本人なんか見たくない」と言われたことが胸に突き刺さった。日本兵に夫を殺されたという。  その3年後に知人から偶然、戦地での行いを悔いながら亡くなった元日本兵がいる、と聞かされた。フィリピンで従軍した人の今の思いをビデオメッセージにして、現地の人に届けてはどうか。そう思いついた。  旧日本軍の部隊名簿などを手がかりに数百通の手紙を出してみた。ぽつりぽ…

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中日新聞 社説「人権としての脱貧困」

週のはじめに考える 人権としての脱貧困 2008年12月7日  努力しても人間らしく生きられない人たちを放置するのは許されません。経済危機でより深刻化する貧困や不安を「人権問題」として考えましょう。  スーパーのレジの前で数十円の予算超過に悩み、財布をのぞき込むお年寄りが増えたそうです。ベテラン店員の観察です。  犯罪白書によると、社会的孤立や経済的不安を抱えた高齢受刑者が増えました。空腹から食品の万引を繰り返し、刑務所に入ってほっとする人もいるそうです。  二十年前から続く博報堂生活総合研究所の生活定点調査では、今年は「安定した暮らしがほしい」「食費を節約したい」人がいずれも過去最高の44%でした。   ◆非正社員が利益に貢献  「割安感がある」と高級ホテルのバーに通う麻生太郎首相には、こうした不安、貧困は理解できないのではないでしょうか。  働いても人間らしい生活を営むに足る収入を得られないワーキングプアと呼ばれる人が、若者を中心に急増し、年収二百万円以下の民間労働者は一千万人を超えています。自殺者は十年連続で三万人を超え、昨年の自殺者のうち七千三百人は経済苦が一因でした。  小泉改革の結果、雇用の調整弁として派遣労働など低い賃金の非正規雇用への転換が急激に進められ、不安定な雇用による低賃金労働が広がりました。いまや非正規雇用の労働者は二千万人近く、全雇用労働者の35%以上です。  安く使え、いらなくなればいつでも切り捨てられる、これら非正社…

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中日新聞 社説 反貧困

 11月30日の社説は、多くの人に読まれるべきだと思うので、下に掲載する。 反貧困ネットのその後 週のはじめに考える 2008年11月30日  米国発の金融危機は実体経済に波及して世界同時不況です。一過性でなさそうなのが厄介ですが、危機こそ人間が試される時、腰を据えなければ-です。  リストラや企業の惨憺(さんたん)たる中間決算、暗い事件の連続といったニュースのなかで、沈みがちな気分をちょっと明るくさせてくれたのが特定非営利活動法人(NPO法人)「自立生活サポートセンター・もやい」(湯浅誠事務局長)のホームページでした。  十月一日から始まった緊急カンパキャンペーンの中間報告。まだ二カ月に満たないというのに、寄付金総額が「三千四百二十五万二千三百二十四円」に達したというのでした。  万灯も貧者の一灯も  「もやい」はホームレスやネットカフェ難民など生活困窮者の相談や生活支援をしている組織。先月に報じられましたからご記憶の方も多いと思いますが、米国のサブプライムローン不況で大ピンチに立たされてしまいました。年間活動予算の四割の千五百万円ほどの資金を提供してくれていた不動産会社が九月、突如、倒産したからです。  年末を無事越せるのか。関係者をやきもきさせましたが銀行口座や郵便振替口座への振り込みは予想外でした。もやいメンバーの友人や知人、支援者たちのカンパに加えて、「二百万円」「百万円」といった大口は全く見ず知らずの人からの寄付だといいます。  長者の万…

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毎日新聞の社説に賛成

 今回の民主党の対応は、民主党という政党が、いかなる政党であるかを如実に示すといえよう。要するに誠実さが足りないということだ。このような重要な法案の審議を放棄して、選挙、選挙・・・・にはあきれる。このような問題については、国会が開かれているのであるから、きちんと審議すべきである。  この民主党の対応により、私は今度の選挙において民主党には、もちろん自公にもだが、投票しないことを決意した。選挙実施のためなら、毒をも飲まそうというのだ。 社説:「給油」衆院委可決 おざなり審議にがっかりする  海上自衛隊によるインド洋での外国艦船への給油活動を延長する新テロ対策特措法改正案が、衆院特別委員会で可決された。21日に衆院通過後、参院で否決されるが、今月末にも衆院の「3分の2」による再可決で成立する運びだという。  特別委での実質審議はわずか2日間だった。新テロ特措法は昨秋、衆院特別委の質疑だけで10日間を要し、給油問題が安倍、福田両政権を退陣に追い込む大きな要素だったことを考えれば、うそのようなスピード審議である。  改正案に反対する民主党が、衆院解散の条件整備のため早めの処理を求めたからだ。私たちは、早期の総選挙を主張しつつも、自衛隊を海外派遣する法案を解散の駆け引きの材料にする民主党の態度は本末転倒であると批判してきた。  与野党の「政局」本位の動きを反映したのだろう。案の定、特別委の審議に深まりはなかった。  アフガニスタンと「テロとの戦い」をめぐっては最…

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『変革期のジャーナリズム」

 今日の「中日新聞」の社説は、「変革期のジャーナリズム」である。社説子は、ノーベル経済学賞受賞のクルーグマン氏の著書をあげる。 http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2008101902000063.html  アメリカの最高経営責任者の報酬が、1970年代には平均的労働者の40倍、それが2000年には367倍(9億円)にもふくれあがったこと、破産を申し立てる世帯が30年前の5倍・・・・・というアメリカの状況を指摘する。  そして、現在の日本の状態、全労働者の三分の一が非正規雇用などを挙げる。次に、こう続ける。  「富裕層に向けた最高税率の大幅引き下げや企業へのさまざまな規制緩和と撤廃、労働組合弱体化や福祉・社会保障削減という保守派の政策こそが大格差社会を生んだという教授の分析は、そのまま日本にもあてはまりそうです」  今頃何を言うか、と思う。確かに「中日新聞」(東京新聞)の社説は、他の全国紙に比較すると相対的にしっかりしていた、だから私は「中日新聞」を購読している。だが、経済政策については、新自由主義的な経済政策、社説子がいう「保守派の政策」を支持してきたのではあるまいか。  日本では内橋克人氏、金子勝氏などにより、アメリカなどアングロサクソン国、そしてラテンアメリカ諸国で行われてきた「改革」がいかなる事態を引き起こすのか、引き起こしてきたのか、その実態と問題点が数々の本で指摘されていた。しかし全マス…

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聞き耳を立てよう、沖縄の声。

 『琉球新報』の15日の社説である。日米安保体制の矛盾を集中的に押しつけられている沖縄、その沖縄の新聞社が訴える声に耳を傾けよう。 「終戦記念日 節目の日に「非戦」を考える/恒久平和誓う「国民宣言」を   2008年8月15日」  きょう、63回目の終戦記念日。軍国主義の反省と恒久平和の尊さを実感し、武力と戦争の放棄を掲げる平和憲法の理念を再確認したい。  日本の本当の終戦記念日は1945年「9月2日」との主張が、今なおある。その日は、米英中など連合国と日本政府・軍代表が米戦艦ミズーリ艦上で、降伏文書の調印をした日である。  実際、講和条約発効前の51年ごろまでメディアも9月2日を「降伏の日」「敗戦記念日」と報道してきた。 「ポツダム宣言」受諾の日  では、なぜ8月15日か。この日は、旧日本軍の大元帥である昭和天皇がラジオ放送を通し、肉声で国民に「ポツダム宣言」の受諾を伝えた日。つまり「玉音放送」の日である。  米英中による対日降伏勧告「ポツダム宣言」の受諾をもって終戦とするならば、前日の8月14日がその日である。日本政府は、同宣言受諾と天皇の終戦の詔書を、14日に発布しているからだ。  そのポツダム宣言は、45年7月26日に通告された。しかし、政府はさまざまな事情から、8月14日まで受諾を先送りした。  受諾を拒む日本に米英中の三国は対日攻撃を激化。8月6日に広島、9日には長崎に原爆を投下している。ポツダム宣言は三条で戦争継続なら「軍事力の最高度の使用」で、日本…

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中日新聞(東京新聞)、憲法記念日の社説

「憲法記念日に考える 『なぜ?』を大切に」は、すばらしい内容だ。 2008年5月3日  日本国憲法の規範としての力が弱まっています。現実を前に思考停止に陥ることなく、六十年前、廃虚の中で先人が掲げた高い志を再確認しましょう。  昨年七月、北九州市で独り暮らしの男性が孤独死しているのが発見されました。部屋にあった日記に生活の苦しさがつづられ、最後のページには「おにぎりが食べたい」と書いてありました。  男性はタクシー運転手をしていましたが肝臓の病気で働けなくなり、四月まで生活保護を受けていました。病気が少しよくなり、福祉事務所の強い指導で保護を辞退したものの働けず、にぎり飯を買うカネさえなかったようです。  忘れられた公平、平等  全国各地から生活に困っていても保護を受けられない、保護辞退を強要された、などの知らせが後を絶ちません。憲法第二五条には「すべて国民は、健康で文化的な生活を営む権利を有する」とあるのにどうしたことでしょう。  国が抱える膨大な借金、将来の社会を支える若者の減少など、日本は難局に直面しています。しかし、最大の要因は弱者に対する視線の変化でしょう。  行き過ぎた市場主義、能力主義が「富める者はますます富み、貧しい者はなかなか浮かび上がれない」社会を到来させました。小泉政権以来の諸改革がそれを助長し、「公平」「平等」「相互扶助」という憲法の精神を忘れさせ、第二五条は規範としての意味が薄れました。  リストラでよみがえった会社の陰には職…

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元旦の社説

 いろいろな新聞社の社説を読んだ。  やはり「朝日」はいけない。「朝日」は「治者の論理」であることをつくづくと感じる。庶民の苦しさなど眼中にないようだ。総選挙を実施することは当然のことだ。しかしそれは「ねじれ」を解決することが目的ではない。現在問題となっていることを解決するためである。  高給を支給されている「朝日」の人々には、わからないだろう。  その点、「東京新聞」は、具体的でよい。「年のはじめに考える 『反貧困』 に希望が見える」がその主張である。  二〇〇二年から六年連続の景気拡大がありました。が、各統計が示したのは裏腹の貧困の広がりでした。  ワーキングプア層とも呼べる年収二百万円以下が千二十三万人(〇六年)。二十一年ぶりの一千万人突破で、相対的貧困率(平均所得の半分に満たない人の比率)はOECD諸国中、米国に次いで世界二位。  生活保護受給者の百五十一万人と国民健康保険の滞納は四百八十万世帯で過去最高記録。母子家庭や高齢者世帯だけでなく一家の大黒柱も、だれもがワーキングプアと背中合わせになっていました。  このような具体的な現実を変えていこうと訴えているのだ。「朝日」のつぶやき型の社説ではない。  「信濃毎日」も具体的だ。  約5年という異例の長い期間にわたって政権を担当した小泉純一郎元首相は、日本社会の課題に対し「構造改革による経済の活性化」を解答として打ち出してきた。具体的には民営化、規制緩和、競争原理の徹底などを内容とする新自由主…

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福田内閣成立

 内閣・自民党幹部の顔ぶれは、派閥のトップを入れて、あとはほとんどアベ政権の方々。まったく新味も何もない。自民党にはもう大臣になるような人材はいないということだ。福田内閣に期待することは、選挙管理内閣として、早期に解散総選挙に導いて欲しいということである。  おそらくこのあと世論調査が行われ、支持率がアベ政権よりあがるだろう。しかし、福田首相は小泉政権の「改革」のときの官房長官であったということ、その「改革」によって多くの社会的矛盾を激化させた(それが今問題となっている)責任者であるということだ。  アベが辞任についての記者会見を開いた。しかしまったく分からない。「沖縄タイムス」の社説はそれについての疑問を書いている。アベのことばをふつうのことばとして受け取らないほうがよいのかもしれない。水嶋朝穂氏が同様のことを記している。 http://www.asaho.com/jpn/index.html  ところで「週刊現代」の記事は、どうなのだろうか。立花隆が今週号の「週刊現代」に書いているが、真相を知りたいものだ。     [お詫び会見]沖縄タイムス社説(2007年9月25日朝刊) 「なぜ」への疑問晴れず  安倍晋三首相が入院先の病院で会見し、自らの辞任を国民に詫びた。退陣表明から十二日目だ。病気であれば仕方ないかもしれないが、それにしても国民に対する説明は遅きに失したと言わざるを得ない。  会見の冒頭、首相は「思うように体調が回復せず、今まで国民に(その…

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今日の社説「中日新聞」

 今日の社説もよい。コラム欄に加藤寛(千葉商科大学名誉学長)の「自民党は改革路線を主張すべし」があるが、続けたらここで指摘されていることが、もっと拡大される。  もう自民党・公明党政権の改革路線を大きく修正させないと、日本に未来はない。   http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2007092302050932.html 政治の劣化が心配だ 週のはじめに考える                                           2007年9月23日  自民党の新総裁が今日決まります。事実上の後継首相選びにワイドショーは盛り上がりましたが、この政治劇は国民不在でした。政治の劣化が進んではいませんか。  安倍晋三首相の唐突な辞任表明を受けた自民党総裁選の行方をにらみながら読んだ二冊の本が、深く重く心に残りました。  いずれも、現場の視点から、日本という「国」のあり方や、日本人の生き方について「これでいいのか」と問いかけています。  その一つは、働いても生活保護水準以下の暮らしを強いられる人びとの実態を描いた「ワーキングプア」(ポプラ社)です。 ワーキングプアの実態  二回にわたって放映され、大きな反響を呼んだNHKスペシャルの内容を取材班が単行本にしました。  保険料支払いの年数不足で年金がもらえず、アルミ缶拾いを生活の糧にする京都市の元大工の高齢夫婦のケースが紹介…

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6月3日の「東京新聞」社説  憲法問題

東京新聞社説  「週のはじめに考える 50年前の憲法論争」 2007年6月3日 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007060302021181.html  「戦後レジーム」は戦前の体験に学んで築かれました。教訓を忘れないよう、歩んできた道を振り返りながら未来を見つめ、憲法と向き合いたいものです。  一九九〇年、天皇は即位を国内外に披露する「即位礼正殿の儀」のお言葉で、「日本国憲法を順守し、日本国及び日本国民統合の象徴としての務めを果たす」と誓われました。憲法第九九条で公務員に憲法の擁護尊重義務が課されていることに配慮されたのでしょう。  「米軍基地の中の村」と言われた沖縄県読谷村の村長を二十三年も務めた山内徳信さんは、この条文を大きな掛け軸にして村長室に飾っていました。 自分の権力基盤を否定  今年の憲法記念日、安倍晋三首相の談話は「戦後レジーム(体制)を原点にさかのぼって大胆に見直し、憲法について議論を深めることは新時代を切り開く精神につながる」と改憲へ強い意欲を示しました。  首相の権力は憲法によって与えられています。自分の権力基盤を否定するのは矛盾のようですが、よく似たことが五十年前にもありました。安倍首相が敬愛する祖父の故岸信介らが、新憲法制定を目指して内閣に憲法調査会を設置した時です。  岸は当時の自民党幹事長、後の首相です。戦前は中国大陸で植民地経営に重要な役割を演じ、東…

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中日新聞の憲法に関わる社説

 「中日新聞」の5月1日からの社説です。食事時、SBSテレビを見ていたら、陸上自衛隊富士駐屯地にレポーターが入っていって、「かっこいい!」といったり、戦車に乗ってはしゃいでいた。SBSテレビの政治的立場がよくわかる。少なくとも憲法記念日くらいは、もう少し問題提起的な内容にすればよいのに、と思った。ないものねだりか? 憲法60年に考える(上) イラク戦争が語るもの 2007年5月1日  憲法施行から六十年。人間なら還暦です。改憲の動きが加速する一方、イラク戦争を機に九条が再評価されています。まだまだ元気でいてもらわねばと願います。  憲法解釈上禁じられている集団的自衛権行使の事例研究を進める有識者懇談会の設置が決まりました。  歴代内閣が踏襲してきた憲法解釈を見直すお墨付きを得る。日米同盟強化に向け、集団的自衛権行使の道を開くことに狙いがあるのは、メンバーの顔ぶれからも明らかです。  憲法には手を触れず、日米軍事一体化への障害を解釈で切り抜ける。安倍晋三首相からブッシュ政権への格好の訪米土産になったようです。 キーワードは国際貢献  言うまでもなく九条の背骨は「戦争の放棄、戦力の不保持」です。その解釈の変遷史でも最大の転機は一九九一年の湾岸戦争でした。キーワードは国際貢献です。  戦費など百三十億ドルを拠出しながら小切手外交と揶揄(やゆ)され、国際社会への人的貢献を迫られたのです。一国平和主義、一国繁栄主義への批判がわき起こったのでした。  自衛隊…

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「東京新聞」(「中日新聞」)本日の社説

 長文の、わかりやすく、また社会や政治のあり方に真摯に目を向けた社説を紹介する。 http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007042202010681.html 週のはじめに考える  歴史から学ぶ姿勢を                                   2007年4月22日  大きな川は水辺ではよどんでいるかのようです。そこから離れて高台から眺めると流れがわかります。「時代の流れ」も歴史の大河から学び取る姿勢が大切です。  「戦前の日本の転換点は満州事変から昭和十年前後。国の“かたち”が戦時体制になりました。現在の日本も状況が似ていませんか」  先月開かれた全国各紙の論説記者の会合で、作家の半藤一利さんが語りかけました。半藤さんは昭和史を中心とした執筆に取り組み、多くの優れた著作で知られています。  昭和十年前後と今の日本を比べると、次の点でよく似ているのだそうです。補足説明して紹介します。 「戦前」とよく似ている  一番目は、教育の国家統制です。昭和八年に教科書が変わり、「ススメ ススメ ヘイタイ ススメ」など忠君愛国が強調されました。  <今は、「愛国心」を盛り込んだ教育基本法改正です>  二番目は、情報の国家統制です。昭和八年に新聞法の強化、出版法の改正があり、マスコミの自主規制も激しくなりました。  <今は、通信傍受法や個人情報保護法です…

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【中日新聞・社説】「現実主義の落とし穴」

 今日の「中日新聞」(「東京新聞」)の社説は、これも一読の価値ありである。昨日、「日本人は急速に論理や意味や構造を理解することがひどく不得手になってしまった」という佐藤優氏の文を紹介したが、「現実」というものに抗わず、流されてしまっているがために、ある意味で面倒くさいことをしなくなったということが言えるのではないか。自公政権はもとより、民主党も基本的にはグローバル企業が自由にもうけることができる世界をつくろうという「改革路線」に立っているがため、そしてそうでない政治グループがあまりに小勢力になってしまったため、私たちの前にオールタナティヴ(alternative)がないということにあるのではないか。  小選挙区制という選挙制度が現在の「悲劇」を作りだしたとするなら、それは、日本にはなじまないのである。  現実主義の落とし穴  日本社会では、大勢に流される傾向が顕著になり、民主主義が劣化しています。“仕方なしデモクラシー”から脱却するには現実主義を疑うことが大事です。  教育基本法が改定され、防衛庁は省に昇格しました。安倍晋三首相は新憲法の早期制定を目指し、国民投票法案を今度の国会で成立させようとしています。「戦後からの脱却」の流れに一段と拍車がかかります。  どれも日本という国と日本人の将来を決定的に左右する事柄です。国民的議論がわき起こって当然なのにさして盛り上がりません。抵抗しても無駄という雰囲気が広がり、「駄目なものは駄目」と言い続ける意識が弱まっています。 …

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【東京新聞・社説】  『公共』は国境を超える

 今日の社説は、現今の「公」に関わる議論を提示している。「公」というものが、国家的公共性に収斂させられている傾向が強くなっている現在、このような議論の提示はきわめて重要だと思われる。  改定教育基本法に「公共の精神」の言葉が盛り込まれました。国家の枠にとらわれず、身の回りから、地球規模まで視野に入れた「公共」を考えたいものです。  「コモンズの悲劇」というエピソードがあります。  コモンズというのは、英国の農民らが慣習的に共同利用してきた共有地とその仕組みのことです。  たとえば、ヒツジを飼う放牧地があります。農民たちが共同利用しています。そこで、ある農民が自分のヒツジを一頭増やしたとします。当然、資産が増えて、得をします。 ■「コモンズ」の悲劇とは  では、農民みんなが得をしようと、次々とヒツジを一頭、また一頭と増やしたらどうなるでしょうか。  えさとなる牧草はどんどん減って、ついには、その牧草地は滅んでしまいます。米国の生物学者ハーディンが一九六八年に問題提起した「悲劇」のかたちです。  日本にも古くから「コモンズ」はありました。山や川などの資源を村の人々で共有する、いわゆる入会(いりあい)権の形で、今でも残っています。  地方地方でさまざまな形態の違いはありますが、山の所有者は主に、そこに生える樹木を所有します。でも、山に入れば、枯れ木が落ちていたり、キノコが生えていたり、動物たちが生息しています。それらは村人が、それぞれ自分のモノに…

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誰が書いているのか

 知り合いの高校の国語教員、「小論文」指導のために「朝日新聞」の社説を利用しようとしたところ、よいものがないと歎いていた。私は、「中日新聞」の社説は主張があっていいですよ、と言ってあげた。  昨日、「朝日」の社説は“主張”がない、署名記事にはときに良いモノがあるけれど、社説は「中日」のほうがしっかりと主張している、「小論文」指導には「中日」を利用することとした、と言われた。  いったい「朝日」の社説は誰が書いているのか。とにかくあの文体がいけない。あれでは「(個人的な)つぶやき」だ。読者に対して、朝日新聞社の考えを主張する、というのではなく、自らの心の中でつぶやく、という書き方である。そしてその「つぶやき」も優柔不断なのである。  自分の思うことを、自分に対して、自信なく自分に語りかける、というように思えるような「社説」は、もう終わりにしたらどうか。  昔の「朝日」は、読んでいて「さすが!!」と叫びたくなるような、しっかりとした文体のなかに、うならせるような内容が書かれ、そうであるが故に、格調高い文が綴られていた。  しかしいつの頃から、そういう社説には出会わなくなった。「社説」担当者を変えたらどうだろうか。もう名文家はいないのだろうか。  なお、論説担当者に“ジャーナリズム”精神がないのであるから、“ジャーナリスト宣言”を自己満足的にテレビなど流すのはやめたらどうだろう。あれはうるさい。 「朝日新聞記者行動基準」を読んでいたら、下記のような箇所があった。このよう…

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元旦の社説 朝日・東京(中日)・毎日

 ここに三紙の社説を掲げる。「朝日」は久しぶりに「ニュース解説」から脱皮することが出来た。しかし、論が「浅い」。長い文を書くだけの技量が「朝日」の論説委員は持ち合わせていないように思われる。主張に沿わない枝葉を切り落とすと、短い文になってしまう。主張は、日本には素晴らしい点が多くあること、それが国際的にも評価されていること、その評価には、もちろん軍事的なものはない、そうあり続けることを願うという内容である。私も賛同できる内容である。  「東京」は、国内問題にのみ焦点が絞られているが、論として深く、主張が鮮明である。若者のみならず、私のような中年組も、未来への不安を抱いている。そこに論点を絞っての主張である。主張に必要な資料をそろえ、主張を支える。だから具体的で説得力がある。「東京」の論説委員は、少なくとも私が読む各紙のなかでレベルがもっとも高い。  「毎日」は軽い。しかし内容的には、まあ首肯できる。「国民を大切にする政府」は、今こそ声高に主張されなければならない。   【朝日】 戦後ニッポンを侮るな 憲法60年の年明けに  キリマンジャロのような高山から、しだいに雪が消えつつある。  氷河はあちこちで「元氷河」になり、北極や南極の氷も崩れている。このまま進むと世界の陸地がどんどん海になり、陸上の水は減っていく。  ニューオーリンズを襲った恐怖のハリケーンなど、最近の異常気象も、海水の温度上昇と無縁ではない。大気中に増える二酸化炭素(CO2)を何とか抑えなけ…

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【東京新聞・社説】  『私』でなく『公』の意識を

 昨年、「東京新聞」の社説を多く掲げた。それは内容的に説得力があり、まっとうな議論をしようとしているからだ。もちろんすべてではない。しかし、「東京」には、所与の現実に真剣に対座しようとしている姿勢がある。批判的精神としっかりした主張があってはじめて社説といえるが、「ブロック紙」ではあるが「東京」は、当地で見られる他の全国紙ならびに県紙よりも格調の高い議論を展開している。  私は、同社のHP上で読めなくなることがもったいないので、ここに掲げさせていただいている。  今回の社説も考えさせられるテーマである。「公」をどう捉えるか、という問題である。政府がだしてくる「公」ならびに「公共」は、すべてが「国家的公共性」へと収斂させる内容をもっている。政府や政府よりのイデオローグは、結論的には、国民の中に「公共性」がなくなっている、それを回復させるには「国家的公共性」を構築しなければならないのだ、という主張をする。  最近「公共性」が各所で論じられている。東大出版会などは、「公共性」に関するシリーズものまで刊行しているほどだ。そこでは「公共性」が豊かに論じられてはいる。しかし、教育基本法「改正」案などをみると、その豊かな議論はまったく無視され、「国家的公共性」のみが居丈高に自らを主張している。  私たちは、本来豊かであるべき「公」の概念を「国家的公共性」に収斂させない努力をしていかなければならない。さもないと、社会が窒息してしまう。「国家的公共性」の一人舞台にしてしまうと、異質なものが出会う空間…

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朝日新聞の社説

 「東京」(「中日」)の社説には、主張があり、その根拠も明確である。文の背後にしっかりとした知識と見識がある。深いのである。  ところが「朝日」の社説は、浅い。文字が意味するそれだけのものでしかない。果たして書いている論説委員に、「あんたわかって書いているの?」と質問したいくらいだ。主張がないのである。たとえあっても、行間に隠された知性というか知識というか、見識というか、そういうものがないのである。  12月1日、朝日新聞社は「朝日新聞記者行動基準」なる文書を作成したが、そんなことより自らの顔と言うべき「社説」の内容を吟味したらどうか。どうも朝日新聞社は、「宣言」とか「行動基準」とか、「外形」だけにこだわっている。その理由は、「社説」とか記事とかに内容がなくなっているからであろうと推察する。  たとえば次の社説だ(12月22日付)。 本間氏辞任 つまずいた安倍改革  11月に政府税制調査会の会長に就任したばかりの本間正明氏が辞任した。東京・渋谷の一等地に立つ豪華な官舎に、家族ではない女性と暮らしていた疑惑が世論の厳しい批判を招いた。  本間氏の起用には安倍首相の意向が強く働いていた。財務省が推す石弘光前会長の再任を退け、「脱官僚」を掲げる新政権の目玉人事として実現させたものだ。当人の公私混同が理由とはいえ、安倍政権に与える打撃は極めて大きい。  大阪大教授の本間氏は、大阪に自宅がある。小泉前政権時代に経済財政諮問会議の民間議員となり、東京との間を往来することが日常化し…

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