コスト削減 労働者の首切り

 今日の「中日新聞」社説。当然のことを記す。あまりにも安易である。景気がよいときはどんどん雇用し、不景気になったらパッと切り捨てる。労働者を何だと思っているのか。
 
 だがこれは80年代から開始され、90年代後半に本格化し、小泉政権で決定的となった「構造改革」が招いたものだ。労働者を使い捨てにする法制度が着々と「整備」され、それが全面的に発動されたのである。このような事態は、予想できたはずだ。労働者派遣の「規制撤廃」(この「規制撤廃」があたかも「善」であるかのように喧伝されてきた!!)の最終目的がこれなのだ。労働者派遣は、本来雇用におけるピンハネであって、あってはならない制度である。
 アメリカに発する新自由主義経済学(それは見事に破綻した!!)が日本に移植される中で実行されてきた政策だ。だから、現在の事態を根本的に解決しようとするなら、労働者派遣事業法を廃止すればよい。

 経団連などが求めてきた政策の正体が、ここで露呈した。敵は明確になってきている。


派遣切り急増 経営が安易すぎないか
2008年12月6日

 販売不振、業績悪化だから派遣社員や期間工を解雇-では経営者はいらない。経費節減や役員報酬カットなど不況対策を尽くした後でやむなくというのならともかく、安易な解雇はやめるべきだ。

 四日夜、東京・日比谷野外音楽堂で開かれた集会では派遣社員や期間従業員たち約二千人が「寮から追い出さないで」「仕事を保障してほしい」と次々に苦境を訴えた。仕事と住宅を同時に失う事態は深刻だ。

 このところの派遣切りや契約解除は目に余る。トヨタ自動車は来年三月末までに期間従業員を三分の一の三千人程度まで削減する。日産やホンダなど自動車業界だけで一万人を超える見込みだ。

 キヤノンは子会社の請負社員を一月末までに約千二百人、東芝も三月末までに約五百人の派遣・期間従業員を解雇する。キヤノンの御手洗冨士夫会長は日本経団連会長を、東芝の岡村正会長は日本商工会議所会頭をそれぞれ務めている。経済界トップの両社が真っ先に解雇では理解に苦しむ。

 厚生労働省によると来春までに非正規労働者が三万人以上職を失うという。実際はもっと増えよう。非正規千七百万人の一割でも職を失えば社会不安が起こる。

 経営者は雇用維持に全力を傾けるべきだ。日本企業の特色だった年功序列、終身雇用、企業内組合という「三種の神器」は崩壊したが、赤字にならないうちから解雇では従業員との信頼は揺らぐ。

 労働組合も真価が問われている。昨年六月末の労働組合の組織率は18・1%と三十二年連続で低下した。組織率が低いままでは政府への政策要求も、経営側への賃上げ交渉も強く出られない。非正規労働者の参加が不可欠だ。

 連合は来春闘について物価上昇に見合う賃上げ(ベースアップ)を要求することを決めた。雇用も賃上げもという目標だが、ここでも非正規労働者の雇用確保にどう取り組むのかという課題が残る。

 政府は非正規労働者の雇用確保に重点を置いた追加雇用対策を十日に正式決定する予定だ。

 失業給付の受給期間を六十日間延長するほか非正規労働者の雇用保険加入基準について「一年以上の雇用見込み」を「六カ月以上の雇用見込み」に緩和する方針だ。

 だが実施時期は来年以降になろう。失業した労働者にとって、生活をどう維持するかが一番重要である。政府は住宅確保などをただちに実行してもらいたい。



http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2008120602000085.html